90年代後半から2000年代前半といった時期に現行だったパシャの高級モデル、パシャ38mm。
日本で「高級腕時計」への注目度が高くなった2000年前後といった時期に、それなりに知られていたモデルではありますが、それから20年以上が経過した今となっては、この存在を知る人はあまりいないかもしれません。
しかし、そんな今において、このパシャ38mm、W31031H3は久々の上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値 |
2022年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャ38mm W31031H3 |
中古 | 3年 0ヶ月 |
¥213,840 | ¥298,000 | 84,160 | 139.36% |
パシャ38mmには、以下のようなラインアップがあります。
現行当時、もっとも高かったのはクロノグラフで、一番人気は3針グリッドだったかと思います。(懐かしい話をすると、グリッドのパシャは「あゆ着用」として注目されていました。実際に浜崎あゆみさんが愛用していたのは、32mmのWGモデルだったと思います。)
同じ3針でも、グリッドなしなのが、このW31031H3なのですが、パシャ38mmとしては最も安価な価格だった存在であります。
そんなW31031H3ではありますが、“安価なパシャ38mm”とはいえ、高級モデルだけあって、2001年春の新品実勢価格は約45万円。当時、その水準だと、SSロレックスでは、一番高値という存在(デイトナを除く)だったエクスプローラー14270が購入可能だったため、「かなり高い」という印象があったわけです。
けれども、W31031H3は、リーマンショック後安価となり、20万円台中盤や前半といった相場に変化。ちなみに、14270もリーマンショック後、22万円程度といった状態になっています。
そこまではロレックスと同じ値動きをしていたパシャですが、その後両者は「異なる値動き」となります。
ご存知のように、アベノミクス以降はロレックス等は値上がり傾向となりましたが、パシャについては値動きしなかったのです。
その結果、このW31031H3含めたパシャは、2015年、2017年といった時期を過ぎても、リーマンショック後から大きく変わらないという状態が続いていました。
実際、このW31031H3の2019年5月水準も約21万円と、リーマンショック後よりも安価とすらいえる様子でした。
ただ、2021年になると、パシャには変化が見られるようになり、パシャCを中心に「久々に上昇」という様子を見せます。その結果、パシャCは、多くのモデルが20万円超えという状態になり、リーマンショック前水準よりも高値という状態にまで上昇。
けれども、その一方、パシャ38mmについてはそれほど大きな変化がありませんでした。
ようやく2022年になってから、パシャ38mmにも「上昇」の兆しが見え、4月にはクロノグラフが“2011年水準超え”という状態になっています。
そして、今回、3針のW31031H3が約29万円という状態にまで上昇したわけですが、長らく値動きしなかったこのモデルがこういった状態になるというのは、すごいという感想になります。
筆者は個人的にこのW31031H3が好きなので、長年値動きを追っているのですが、ようやく「値動きする状態」を見れたということに感激しています。