これまで何度も『相場全体を示すかのような値動き』といった様子を見せたヨットマスターの16622。
特に2016年や2019年夏の下落トレンド時は、いち早く値下がりし、その前兆を伝えるかのように値動きしていました。
また、2020年夏頃からの回復時にも、16622はいち早く値動きし、その後の回復⇒上昇トレンドを暗示しているかのような様子を見せていたわけです。
さて、現在相場といえば、「値下がり」が目立っている一方、実はそういった“値下がりモデル”も1年前水準と比較すると、実は150%近い伸びという状態であるなど、はっきりとした値下がりではないということもできる状態です。
また、モデルによって値動きは、『3月にやや下落してから停滞』となっていたり、『3月以降はずっと下落』という様子が見られるなど、下落といってもその幅がまちまちだといえ、なかなか分かりづらいのが今の状態だといえます。
では、そんな中、16622がどういった値動きをしているのかというと、なんと現在「値上がり」という状態が見られるのです。
16622は、6月時点でも値上がり傾向でしたが、それから今にかけても若干上昇し、現在水準はなんと120万円台という価格ステージに到達。
16622が120万円台となるのは、これまでなかったといえ、かなりインパクト大な様子だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年6月 の安値 |
2022年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター 16622 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥1,198,000 | ¥1,210,000 | 12,000 | 101.00% |
今回の16622の値動きは、1万2000円という歩幅な変動でありますが、ボトム価格が120万円以上となったことが重要だといえます。
16622は、1999年のデビュー時に注目度が高く一時的に、当時の定価85万円(税別)以上で取引されたということがあったといえます。
けれども、その後は相場が落ち着き、長らく中古相場は『高い時で60万円台、安い時は50万円台』といった状態となっていました。
そして、リーマンショック後には40万円台となったわけですが、その後アベノミクスによって再び60万円台まで復活。
その後、2019年には80万円台となり、16622の中古相場としては最高値更新といった状態になっていました。
それが、現在では120万円台という状態になっているわけですから、新品/中古問わず、1999年のデビュー以来最も高い水準となっている状態だといえます。
もし、現在でも、16622が相場全体を示しているのであれば、「下落トレンドでない」といった未来が考えられるわけですが、その一方で、16622が相場全体を示すような動きではなくなったという可能性もあります。
ただ、筆者として、現在相場は、2月水準と比べると値下がりではあるものの、本質的には「下落トレンド」とは思えないわけで、また、ガソリン価格や為替などの様子を見ても、下落となるような要因は見当たりません。
特に、ガソリン価格と腕時計相場は、筆者が以前から注目している関係でありますが、16622の現在相場は、見事にガソリン価格と連動してる、ということになります。
このところ値下がり気味というモデルが多いなか、不思議と上昇した16622ですが、今後の相場がどういった方向になっていくのか、非常に興味深いといえます。