2021年夏から、パシャCが久々に上昇となっている一方で、このパシャ38mmについては、それほど目立った値動きとはなっていませんでした。
しかしながら、今年になるとパシャ38mmも上昇するようになり、今では3針やクロノグラフなどが、リーマンショック前の水準にまで回復といった様子となっています。
さて、パシャ38mmにはもう1つのモデルがあるのですが、それが今回紹介するGMTであります。
このモデルには、GMTとパワーリザーブインジケーターという機能が備わっているため、以前は「3針よりも高い」といった立ち位置となっていたのですが、2016年頃からは「3針と同水準」という立ち位置となっています。
パシャ38mmは、リーマンショック以降安価な状態となったわけですが、その際、3針が22万円程度で「驚くほど安い」という感覚だったといえます。
アベノミクス後は、多くの腕時計が上昇したわけですが、パシャ系はいずれも反応せず、長らくリーマン後水準と同程度といった様子が続いていました。
そして2016年頃から、GMTは特に安くなり、2017年には22万円程度となっていたほど。これは、リーマンショック後すら下回るといえたわけですが、それ以降このGMTのパシャ38mmは、20万円台中盤といった水準が目立つようになっていました。
前回、このGMT、すなわちW31037H3をお伝えしたのは2019年10月でありますが、その際でも約25万円という状態。やはり、そこまで大きく変わっていない状態だったといえます。
そんなW31037H3ですが、2022年の今、久々に上昇という様子を見せている様子となっており、現在水準は、なんと約32万円に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年10月 の安値 |
2022年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm W31037H3 |
中古 | 2年 9ヶ月 |
¥254,100 | ¥327,800 | 73,700 | 129.00% |
このW31037H3、2001年の新品実勢価格が約43万円(税別)、2003年が約58万円(税別)という状態で、定価は74万円(税別)でした。
2008年リーマンショック前の中古参考価格は37万8000円という数値であるわけですが、上記新品実勢価格を見ると妥当だといえます。
2008年までそのような価格帯に位置していたW31037H3は、2021年ぐらいまで長らく25万円前後といった水準だったわけですから、安い状態が続いていたといえます。
そういった経緯を踏まえると、現在の約32万円という水準は、長らい道のりを経た上での、久々の30万円台だといえるわけです。