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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第119回~ 『パーペチュアルカレンダー』「Ref.5327R-001」/「Ref.3940R」

2022年8月4日更新

暑くジメジメとした日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?再びコロナの感染者も増えて来ておりますが、先ずは自分達が出来ることをやって、しっかりと予防に努めましょう。

さて、今回も『パーペチュアルカレンダー』「Ref.5327R-001」と「Ref.3940R」の魅力的な2本が入荷しましたので、ご紹介していきたいと思います。残念ながら、ご紹介する前に販売済みとなってしまう場合もございますので、その際はご了承ください。

【目次】
◆ 「Ref.5327R-001」 『パーペチュアルカレンダー』18KRG
◆ 「Ref.3940R」 『パーペチュアルカレンダー』18KYG
◆ まとめ

「Ref.5327R-001」
『パーペチュアルカレンダー』18KRG

2006年登場「Ref.5140」の後継モデルとして、2016年にYG(イエローゴールド)×ホワイト文字盤、RG(ローズゴールド)×アイボリー文字盤、WG(ホワイトゴールド)×ブルー・ソレイユ文字盤の3素材展開で発表された「Ref.5327R-001」。

【先代「Ref.5140」からの変更点】
▶文字盤インデックスが、バーインデックスからアラビアンインデックスへ
▶針が、ドルフィン針からリーフ針へ
▶ケース径が、37.2mmから39mmへ
▶ケース両サイドがえぐられたような形状となり、近年の【パテックフィリップ】らしいデザインへ
各々に良さはありますが、個人的な意見を申し上げると、クラシカルな雰囲気を現代に落とし込んでいる、いわゆる”今っぽい”「Ref.5327R-001」が好みではあります。

3素材展開されているどれもが素敵ではありますが、今回ご紹介する18KRGケース仕様は、アンティーク調のアイボリー色を採用したラック文字盤、アップライドのブレゲインデックス、リーフハンドと、写真然り、実物は更にかっこ良く感じます。

スケルトンバックから眺めることが出来るムーブメントは、「Ref.3940」、「Ref.5140」、「Ref.5327」の三世代で使用されている「Cal.240 Q」。マイクロローター上のカラトラバマークが美しいなど、【パテックフィリップ】のムーブメントは本当に何度見ても飽きないですね。

調整ピン、純正のワインディングBOX、ワインディングBOX用のアダプターは欠品しておりますが、試着程度の細かなスレが僅かに見られる極美品。保証書日付も2021年9月と、メーカー保証期間も1年以上残っており、おススメです。さらに未使用の純正アリゲーターベルトも2本付いております。

気になる販売価格は、7,270,000円(税込)

国内販売価格:最安値12,628,000円(税込)

年式・状態を考えても、とてもリーズナブルで魅力的な販売価格設定、且つ今後が楽しみな時計であると思います。

「Ref.3940R」
『パーペチュアルカレンダー』18KYG

1985年に次世代を担うパーペチュアルカレンダー搭載モデルとして発表され、名機「Cal.240 Q」を搭載した「Ref.3940」。初めて見た時は、ケース径が36mmでケースの厚みも抑えられており、どちらかと言うと控えめな印象でしたが、今となっては【パテックフィリップ】の時計を色々と知ったことで、小さめながらもバランスが良く、しっかりと存在感のあるモデルであると思います。

1985年から2006年まで20年以上製造されていたロングセラーモデルであるこちらは、PT(プラチナ)、WG(ホワイトゴールド)、RG(ローズゴールド)、YG(イエローゴールド)の4素材で展開されていました。市場で出回っていた多くのモデルが18KYG(イエローゴールド)の印象ですが、最近は「Ref.3940」自体見かけることがめっきり少なくなったと思います。また、ダイヤルバリエーションも大きく三つに分けられますので、下記をご覧ください。

【ダイヤルバリエーション】
《第一世代》※1985年から1987年に見られるとされ、製造個体数は僅か700本ほど
3時・9時位置にあるインダイヤルが小さく、くぼんでいる
《第二世代》
インダイヤルが第一世代と比べ大きく、大きなくぼみはなくなる
9時位置の24時間計は、昼夜が瞬時に分かるように18時〜6時に色が付いている
3時位置の閏年表示の数字は線で分割されていない
《第三世代》
閏年表示の数字が線で分割され、分かりやすくなる
ちなみに、1990年代前半頃までの製造個体はケースバック(裏蓋)がクローズドのみの仕様でしたが、実は同時期に販売されていたモデルでスケルトンバック仕様の「Ref.3941」というリファレンス(型番)も存在しておりました。その後、スケルトンバックの仕様でクローズドの裏蓋も付属するようになります。※それに伴い「Ref.3941」は終了

スケルトンバックから眺めることが出来るムーブメント「Cal.240 Q」は、この先長く『パーペチュアルカレンダー』に搭載されることとなる、完成されたムーブメントです。

こちらも補足ですが、第三世代の途中でバックルもピンバックル(尾錠)からフォールディングバックルへ変更となり、ムーブメントのマイクロローター部分のカラトラバマークもなくなり22Kのみになるなど、細かな変更点もあります。「Ref.3940」は掘り下げて行くと、いろいろと発見がある面白いモデルですね。

今回ご紹介する時計は保証書、箱は付属しておりませんが、ケースコンデイションも良いオススメの個体。

気になる販売価格は、6,248,000円(税込)

海外での評価も高く、相場もかなり上昇した感じを受けます。今後がとても面白いモデルであり、購入をご検討されている方がいらっしゃいましたら、是非ともおススメの1本です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このように次々と素敵な【パテックフィリップ】の時計が入荷しており、本当に嬉しい限りです。

今後とも魅力的な【パテックフィリップ】のモデルを、出来る限り多くご紹介していきたいと思いますので、どんな小さなお問い合わせでも、お待ちしております。

ではまた!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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