腕時計投資新聞編集部が、今気になる時計店を取材。その第一弾としてコミット銀座をご紹介する。
前提-4桁ロレックスの魅力と面倒くささ
コミット銀座を紹介する前に、「4桁世代のロレックス」について解説させていただきたい。
かつて腕時計ファンの間では、4桁ロレックスが、「最も憧れるアイテム」といった存在感だった。しかし、10年、20年前と比べると4桁世代は今、「手を出しづらい」といった印象になっている。
というのも、4桁ロレックスには、様々な評価ポイントがあり、同じ型番だったとしてもその要素要素の“差”によって評価が大きく異なるからだ。
例えば、同じロレックスでも5桁や6桁世代の場合、型番を指定すればある程度の相場が分かる。初心者の時計ファン目線でも「あのモデルはだいたいいくらぐらい」ということが把握でできるだろう。
ただ、5桁世代といっても、「特定の要素」によって相場が違うというモノがある。それは、デイトナ16520やサブマリーナ16610LV等にみられる「P番(16520)」や「フラット4(16610LV)」などだ。
それら要素が備わったモデルは、通常の個体に対して「倍」といった相場となっていることが珍しくない。そのため、同じ型番でも「P番」といった要素が備わると、急激に高く評価されるため、一見すると分かりづらさがあるようにも見える。しかしながら、5桁世代の特殊要素は、その各々が一定の知名度を有しており、時計ファンになれば「P番の16520は高い」ということが理解可能となるわけだ。
しかし、4桁の場合、その特殊な評価ポイントが5桁のように明快ではない。さらに、デイトナでいう「P番」のような評価ポイントは、4桁では多岐にわたり、それぞれの要素にも、分かりやすい名称が付けられているとは限らない。
そのため、時計ファンからすると「どこが4桁の評価ポイント」となるのかが分かりづらく、場合によっては、プロ、すなわち店舗側もその判断が正しくできないこともある。
だから4世代のロレックスは、近年では時計ファンが手を出さなくなり、結果的に一部の4桁マニアしか手を出さないといった状況になってしまったと推測できよう。
そうとはいえ、4桁世代のロレックスは、それ自体の魅力が失われたわけではない。
時計そのものに対する魅力は、以前から変わらず「素晴らしい」といえるのだが、評価基準が曖昧なため、時計ファンが手を出しづらいのが現状なのだ。
時計ファンとしては、魅力ある4桁世代を買ったとしても、「やっぱり売る」となった場合、相場が分かりづらいため「売りづらいのではないか」という懸念があるだろう。また、どこまでがオリジナルパーツなのかも分かりづらいため、玄人向けのクラシックカーを買うような、高度な知識を消費者側にも要求されるといった“面倒くささ”がある。
だからこそ、正しく4桁ロレックスを評価できるお店があれば、その魅力ある腕時計を安心して購入することができる、ということになるわけだが、コミット銀座はまさに“そこ”を強みとしているのである。
コミット銀座の4桁への知見
先にも述べたように、4桁世代には様々な評価ポイントがあるため、お店が「鑑定」を行う際にも、5桁や6桁世代のようにはいかない場合があるという。6桁世代の場合、お店に持っていけば、ほんの10分程度で買取額が提示されることが珍しくない。だが、4桁世代については、その難しさから、査定額提示まで、1〜2週間預けて鑑定してもらう流れが通常である。
というのも、4桁ロレックスを鑑定する際に「針や文字盤などがオリジナルなのか?」といったことを調べる必要があり、装着されているブレスレットもその年代のものかなど、各種整合性を1つずつ丁寧に確認する必要がある。
4桁世代に慣れていない鑑定士の場合、そのようなステップを1つ1つ処理するのに時間がかかり、その結果、査定結果を出すまで1〜2週間かかるという状況が発生するわけだ。
それに対して、コミット銀座では、4桁専門といっても過言でないほど、4桁世代への造詣が深い鑑定士、金子氏(執行役員)がいる。
金子氏は、その4桁世代への知見を活かし、時計ファンから持ち込まれた4桁ロレックスを素早く正しく鑑定する。もちろん、査定額はその日のうちに提示することを基本としている。
知見があるからこそ実現できる魅力的な在庫
4桁ロレックスといった、査定が難しいアイテムをこなすコミット銀座には、その噂を聞きつけた時計ファンから、様々なレアピースが持ち込まれているようだ。
そういったことから、コミット銀座には、4桁ロレックスのポールニューマンや手巻きデイトナ、パテックフィリップの極レアノーチラスなどの、世界中のコレクターが「探していた」というようなレアピースが販売されることがあるのだろう。
4桁ロレックスは、その独特の雰囲気やレア感など、とても魅力あるアイテムだが、コミット銀座で販売されているものは「正しく評価された1本」だといえる。
だからこそ、買った後に「売却したい」というシーンが訪れたときにも、「正しく評価された1本」なら資産価値は十分にある。まさに、5桁世代を買うような感覚で、魅力ある4桁ロレックスを手に入れることができるといえよう。
昨今、腕時計ファンにとっての人気アイテムは、ロレックスに限らず「現行モデル」となってしまった。
確かに、現行モデルには誰もが手を出しやすい“分かりやすさ”がある。しかし、そろそろ時計ファンは、4桁世代の魅力を再認識しても良い頃ではないだろうか。
4桁には、その魅力だけでなく、すでに数十年前に生産終了になっている、すなわち供給量が限られているというアドバンテージがある。世界の時計ファンが、4桁の魅力に気づいた頃には、おそらく争奪戦となるはずだ。
少しでも4桁世代に興味を持った時計ファンは、コミット銀座に行って金子氏の話を聞くといい。気さくな人柄も相まって、時計談義に花が咲くだろう。
【DATA】 住所:東京都中央区銀座6丁目4-7 G・O・WESTビル1F.2F.12F 電話番号:03-6264-5310 営業時間:11:00~21:00 「コミット銀座」公式サイト 取材・文・撮影/腕時計投資新聞編集部 |