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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第128回~ おすすめモデル5選

2022年10月11日更新

朝晩は冷え込む日が増えてきており、秋の訪れを感じる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。コミット銀座は変わらず熱い想いで営業しておりますので、寒いな~なんて感じている方は、お気軽に温まりにお立ち寄りくださいませ。

さて、今回は充実している【パテックフィリップ】のラインアップから、私がおすすめしたい時計を5本程ご紹介させていただきます。是非とも最後までお楽しみください。

【目次】
◆ 「Ref.6119G-001」 『カラトラバ』18KWG
◆ 「Ref.5100G-001」 『ミレニアム コレクション10 DAYS』18KWG
◆ 「Ref.5110P-001」 『ワールドタイム』Platinum
◆ 「Ref.5167/1A-001」 『アクアノート エクストララージ』SS
◆ 「Ref.5270P-001」 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』Platinum
◆ まとめ

「Ref.6119G-001
カラトラバ』18KWG

2021年の新作で、18KRG(ローズゴールド)ケース「Ref.6119R-001」と共に登場した、18KWG(ホワイトゴールド)ケース仕様の「Ref.6119G-001」。

ケース径は39mmへとサイズアップされ、サテン仕上げのグレー文字盤には、アップライドのホワイトゴールド植字インデックスとドルフィン針を採用し、高級感が更に増しております。

この文字盤の不思議なところは、見る角度や照明の明るさ、色によって、まったく違う表情を見せてくれるところ。1枚目の写真と見比べるだけでも大きな違いがあるのが分かりますね。

ケース径が39mmにサイズアップされながらも、文字盤デザインのバランスが良くなっているのは、直径31mmに大型化された新型ムーブメント「Cal.30-255PS」によるものです。このムーブメントが搭載されたことにより、「Ref.6119」はスモールセコンドの位置が下がり、文字盤上のバランスが向上したのです。

スケルトンバックから眺めるムーブメントも、非常にダイナミックで迫力があります。もちろん機能面も向上しており、65時間のロングパワーリザーブ、ハック機能(リューズを引くと秒針がストップ)が搭載された点は、ファンが待ち望んでいた機能の一つかと思います。

保証書日付は2022年5月。使用に伴う細かいスレや目立たない程度のキズが見られますが、着用感の少ない極美品です。付属品も完備で状態も非常に良いです。

気になる販売価格は、4,488,000円(税込)

国内正規希望小売価格は3,894,000円(税込)。若干のプレミアムな価格設定となっておりますが、流通個体も少なく、保証書日付が2022年5月で状態も極美品となると、納得の価格であると思います。この機会に是非ともおすすめの1本です。

「Ref.5100G-001
『ミレニアム コレクション10 DAYS』18KWG

ミレニアム(2000年)を記念して、限定で発表された『10デイズ』「Ref.5100G-001」。

ケース素材は計4種類で3000本発売され、当時”10日巻き角形ムーブメント”「Cal.28-20/220」を搭載し、話題となったモデルです。こちらの18KWG(ホワイトゴールド)ケース×青文字盤は《450本》生産され、PT(プラチナ)ケース×黒文字盤《300本》と並んで人気となっております。その独特なケースデザインは、1950年代に発表された「Ref.2554」からインスパイアされたと言われており、通称”マンタ・レイ”と呼ぶ人もいます。現在においてもまったく古さを感じさせない、とてもかっこいいデザインだと思います。

それまでの手巻き式時計のパワーリザーブは48時間弱(2日間ほど)が主流でしたが、10日間ものパワーリザーブを持つ時計などもちろん存在せず、当時【パテックフィリップ】が初の快挙をもたらしたと言えます。

スケルトンバックから眺めることが出来る「Cal.28-20/220」は、見ていてとても美しく、吸い込まれてしまいそうなほどです。

直近(2022年8月)にオーバーホール、ケース仕上げがされており、メーカー修理保証期間が2年近く残っているのはとても安心です。保証書、箱、冊子、パスケース、修理明細書、ジュネーブシール証明書、限定証明書、ウォッチケース、記念メダルが付属し、コレクションにももってこいの内容です。

気になる販売価格は、5,280,000円(税込)

相場が上がっていた時は1000万円近くの販売価格であったと記憶しております。現在のプライスは、好きな方にとっては魅力的であり、おすすめできる1本です。

「Ref.5110P-001
ワールドタイム』Platinum

2000年に現代版『ワールドタイム』として発表された「Ref.5110」シリーズ。ケース径は37mmとやや小ぶりにも感じますが、このサイズが絶妙なバランスであると思います。

こちらは、インダイヤルのギョーシェ仕上げ部分に淡いブルーを用い、差別化された『ワールドタイム』「Ref.5110P-001」。この頃から、PT(プラチナ)モデルのケース6時側にダイヤモンドがセットされるようになりました。

このワールドタイム機構は、ケース10時位置のプッシュボタンを押すだけで、時針、24時間表示回転ディスク、都市名ディスクを連動して変更することが出来ます。12時位置に設定したい都市名が来るまでプッシュし、その後、現在時刻に合わせる仕組みです。簡易な機能のように感じますが、実際に時計を操作すると、説明以上に複雑な機構であることが分かります。

サファイアクリスタルのスケルトンバックから眺めることが出来る、画期的なワールドタイム機構を搭載するムーブメント「Cal.240 HU」は、思わずうっとりとしてしまう美しさです。ケースとの比率を含めて、絶妙なバランスですね。

状態は目立たない程度のキズが見られるのみで、年代を考慮するとケース・バックルはしっかりとしております。現状付いている純正アリゲーターベルトは、使用感もごく僅かで、インダイヤルのブルーともマッチしておりとてもオシャレです。交換用で未使用のブラックアリゲーターベルトも付属しております。「Ref.5110」はラグ幅20mm、バックル幅14mmと、実は探すとなかなかないベルトサイズです。付属している箱は年代が相違しておりますが、国内正規店で販売された個体で、ワールドタイム冊子、パスケース、クロスも付属しております。

気になる販売価格は、6,468,000円(税込)

ここのところ出回りも少なく、海外コレクターからの問い合わせ、反響が非常に多いモデルです。お探しの方に是非ともおすすめいたします。

「Ref.5167/1A-001
アクアノート エクストララージ』SS

2007年、現行モデル「Ref.5167A-001」が登場し、その翌年の2008年に追加発表されたのが、こちらのSS(ステンレススチール)ブレスレット仕様「Ref.5167/1A-001」。

アクアノート』と聞くと、トロピカルバンド仕様のイメージが強く、その人気も高いのですが、私の推しはこちらのSS(ステンレススチール)ブレスレット仕様です。理由は、通常どのモデルもブレスレット仕様とバンド仕様ですと、前者の方が、正規販売価格はもちろん、二次流通市場でも需要・価格が共に高いのに対して、『アクアノート』は二次流通市場での販売価格差がほぼないのです。前にもお伝えしてますが、先ずブレスレット仕様の「Ref.5167/1A-001」を購入し、後からトロピカルバンドと専用のフォールディングバックルをメーカーで購入すれば、両方の仕様をリーズナブルに楽しむことが出来るという耳寄りな話なのです。

スケルトンバックから眺める「Cal.324 S C AIG.3」は、「Ref.5167A-001」と同ムーブメント。やはり【パテックフィリップ】のムーブメントは美しいの言葉に限ります。

こちらの時計のおすすめポイントは、年式を考慮してとにかく状態が良いところ。目立つようなスレやキズもなく、ポリッシュも過去に軽めにされただけと思われる、エッジが立ったケースとベゼルはとにかく印象が良いです。もちろん、ブレスレットのヨレもほぼございません。

気になる販売価格は、7,370,000円(税込)

付属品の状態も非常に良く、保証書、冊子類と完備です。相場が上がっていた時と比べて、だいぶお求め易い販売価格設定になっており、とてもリーズナブルであると思います。今後の期待値含めて、これは買いであると思います!

「Ref.5270P-001」
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』Platinum

『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』搭載モデルの第五世代として、2011年に自社製ムーブメントを搭載し発表された「Ref.5270」。7年後にあたる2018年、満を持してシリーズ待望のPlatinum(プラチナ)ケースモデル「Ref.5270P-001」が登場しました。

過去に発売されてきた「Ref.5270」シリーズと比較すると、10時〜2時までのバー型インデックスが、アラビア数字のアップライドインデックスとなり、文字盤デザインの違い・差別化は明白であります。また、クラシカル、且つスペシャルなモデルに採用されてきた、”サーモンピンク”や”カッパー”とも呼ばれる文字盤を搭載していることからも、このモデルがいかに特別なモデルか分かりますね。針・インデックス・インダイヤル・タキメータースケールを黒色にしたことにより、高い視認性とヴィンテージの良い風合いを演出しています。

ムーブメントは、レマニアベース「Cal.CH 27-70 Q」から、完全自社製「Cal.CH 29-535 PS Q」へと変更されました。これにより閏年の表示窓を5時位置、昼夜表示窓を8時位置に備え、文字盤12時位置下にあるカレンダー表示窓が大きくなり、より視認性の高い文字盤デザインになったと思います。

今年生産終了となり、市場での出回りも少なく、相場も以前より上がっております。この個体は保証書日付が2021年。メーカー保証期間がまだ残っており、ノンポリッシュで目立たない程度の状態です。パーペチュアルカレンダー搭載モデルは、メーカーでのオーバーホール費用が高額ですので、この保証期間は重要です。さらにはクロノグラフも搭載していますので、所有される方は安心してご使用になれると思います。

気になる販売価格は、30,800,000円(税込)

決してお安い買い物ではございませんが、ご購入をお考えの方がいらっしゃいましたら、今後を考えてもこのような優良個体は逃さないでいただきたいです。私がいま一番”イチオシ”させていただきたい時計です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は当店で在庫している【パテックフィリップ】の中から、わたくしが特におすすめさせていただきたい時計をピックアップさせていただきました。気になる個体が見つかった方は、些細なことでも構いませんので、どしどしお問い合わせお待ちしております。

暑さもひと段落し、お出かけ日和が増えると思いますので、銀座にお越しの際には、是非ともコミット銀座にお立ちよりください。

ではまた!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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