パネライは、1993年から一般販売された経緯がありますが、その原点は1950年代ごろにまで遡ることができます。
1950年代ごろのパネライは、ロレックスからムーブメント供給を受けており、イタリア海軍専用といった腕時計。一般販売はされていませんでした。
そして、1997年にパネライはリシュモングループ入りするわけですが、そのときに、そういった過去のパネライの凄さを象徴するモデルとして、「ロレックスムーブメントを搭載したパネライ」が販売されたわけです。
それこそがPAM00021だったわけですが、デットストックのロレックスムーブメントを搭載し、プラチナケースという「いかにも高そう」な内容。また、販売数は最初から限定されており、その方法も「申し込み制」となっていた形跡があります。
そんな幻のPAM00021ですが、中古相場でもお目にかかれないのでは?と思いきや、2017年から現在までの5年間で、「1本」が日本の中古市場で売りに出されていました。
さて、そんな幻ともいえる21番ですが、実はそれと同じようなモデルがパネライにはもう2つ存在。
それが、232番と294番です。
どちらも限定モデルなのですが、“SSケース”かつ“ユニタス(ETA)ベースのムーブメント”という点が共通。21番の見た目そのままに、スペシャルな部分を一般化した内容となっています。
では、232番と294番の違いはなにかというと、PAM00232は2006年に限定販売されたモデル、PAM00294は2010年に限定販売されたモデルで「232番の裏スケバージョン」であります。
つまり、232番と294番の違いは「裏スケか否か」という差であるわけですが、実はこの2つにはもう1つ大きな差が存在。
それが中古相場の差であります。
232番は2017年から現在までにかけて60万円台といった水準となっている一方、294番は以前からその倍といった相場であるわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2022年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00294 |
中古 | 2年 9ヶ月 |
¥1,211,700 | ¥1,895,200 | 683,500 | 156.41% |
なお、この294番のもう1つの特徴として「数が極端に少ない」という傾向があります。
232番は中古相場で常に「何本か売られている」という状態が珍しくありませんが、この294番は「売出しが0」ということが珍しくありません。
ですから、294番の相場が高いのは、そういったレアさゆえなのだと思います。
そして、そのように評価されている294番は、2020年2月⇒2022年11月で約68万円の上昇となっているわけで、しっかりと値動きしている傾向。
232番は2017年から5年もの間「あまり相場が変わっていない」という状態ですから、294番とは明らかに違う評価となっていることが分かります。