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現在相場考察

【3/3】80年代ヴィンテージの今、エクスプローラー2 16550白文字盤

2023年2月4日更新
ロレックスのエクスプローラー216550について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年10月の安値と2023年2月の安値を比較し現在相場を考察。この4年4ヶ月での変動は¥-282,000だった。

エクスプローラー2 白文字盤 16550についての考察(2023年2月)

80年代ヴィンテージの今 第3段(最終回)

80年代ヴィンテージとは、1980年代に作られたロレックススポーツモデルの一部。4桁世代から5桁世代に移行する際、比較的短い期間に作られた、過渡期のモデルといった存在であります。

エクスプローラー2 16550 白文字盤

さて、3日間に渡って考察してきた「80年代ヴィンテージの今」も、今回で最後となるわけですが、ラストを締めくくるのは、エクスプローラー216550としました。

16550には、黒文字盤と白文字盤、そしてアイボリーがあるのですが、アイボリー文字盤は1999年頃から、「(当時高かった)4桁世代と同じぐらいの評価」となっていた経緯があります。

他の80年代ヴィンテージ同様、16550も5桁世代、すなわち16570と見た目が似ているものの、「アイボリーが高い」というイメージや、ベゼルとデイトフォントが16570と明らかに異なることから、5桁世代との“差い”を感じやすいといえる側面があります。

そんな16550でありますが、2018年時点で白文字盤は150万円台に達していたわけです。

ちなみに、その頃黒文字盤は130万円台という様子となっており、文字盤色問わず165502018年においてかなりな評価となっていたといえます。

2018年当時、5桁世代、すなわち1657050万円台だったことを考えると、16550最も評価されていた80年代ヴィンテージ(最も同じモデルの5桁と相場差があった)だったといえます。

しかし、そんな16550の現在水準は、なんと2018年以下という状態。

この白文字盤は、2018年10月よりも現在水準のほうが28万円程安いのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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ROLEX ロレックス 16550 Explorer II エクスプローラー2 ホワイト R番 自動巻き J47180

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年10月
の安値
2023年2月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
エクスプローラー2
白文字盤
16550
中古 4年
4ヶ月
¥1,580,000 ¥1,298,000 -282,000 82.15%

そして、『2018年よりも2023年水準のほうが安い』ということは、黒文字盤でも変わらず。

2018年8月に16550黒文字盤は、約132万円となっていましたが現在水準は約127万円といったところ。

黒文字盤のほうが、白文字盤よりも「値下がりが弱い」ものの、いずれも2018年水準と比べて下落していることに違いありません。

現在の相場といえば、値下がりという印象がありますが、そうはいっても2018年水準と比べると「ずいぶん高い」というモデルは多数派だといえます。

そういった意味で、16550は今、かなりなお得感がある状態だといえます。

ではなぜ、この16550が、2018年をピークにあまり評価されていないのかというと、その答えは、他のモデルへの注目度が高まった結果、目立たなくなったというところだと思います。

16550は以前から「高い」というイメージがあるわけですが、他が高くなった一方でおいて置かれてしまった結果、いまのような状況になっているのだと思います。

筆者としては、16550にネガティブ要素を感じることがないため、今の状態は、シンプルにお得というように感じます。

80年代ヴィンテージは、分かりづらい値動きをしたり、そのキャラクターが謎めいた点がありますが、注意して見ていれば、この16550のような「お得モデル」があるのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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