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現在相場考察

R番は1200万円台、デイトナ16523

2023年7月22日更新
ロレックスのデイトナ16523について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年12月の安値と2023年7月の安値を比較し現在相場を考察。この5年7ヶ月での変動は1012万円の値上がりだった。

デイトナ 200タキ 段落ち 16523についての考察(2023年7月)

16520といったエルプリ世代のデイトナには、年式による仕様違いが多々あり、そういった要素によって相場が異なるという傾向があります。

かつて、その際たる例だったのは「P番」だったわけですが、これは何かというとエルプリ世代の最終モデル。

デイトナ2000年8月に一斉モデルチェンジをしたため、「P番」の16520等は生産期間が短く、レアとされたわけです。

1990年代のロレックスは、発光塗料を「トリチウム⇒ルミノバ」と変えたり、ブレスレットの留め金を「シングル⇒ダブル」にしたりと、分かりやすいマイナーチェンジを実施。その結果、当時は“新しい要素”のほうが良いという価値観となっていました。

また、デイトナについては1992年頃からブレスレットの中央部分が鏡面仕上げに変更。2000年代といった時期において、当時の16520最安値を見ていると、“中央部分が鏡面ではない”個体がそこに位置していたといえます。

しかしながら、今となってはそういった価値観は逆転。“古ければ古い”ほど良いという価値観になっているわけです。

そして、デイトナの“ど初期”モデルともいえるR番に至っては、なんと現在1200万円台という水準。

R番は、いわゆる「段落ち文字盤(Cosmograph表記が1行開いている)」であるわけですが、2017年12月時点では238万円という評価でした。

当時の16523最安値は115万円といたところだったため、その時点での「段落ち」に対するプレミアムは“通常個体の2倍”といったところだったといえます。

ですから、この5年半の間において「段落ち」に対するプレミアムは大幅に変化したといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年12月
の安値
2023年7月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
200タキ 段落ち
16523
中古 5年
7ヶ月
¥2,380,000 ¥12,500,000 10,120,000 525.21%

16523には、シャンパン、黒、グレー、白(前期・後期)といった文字盤がありますが、あえて文字盤色を問わずに、「段落ち」対「最安値」の価格差を考慮すると、

  • 2017年12月:約123万円
  • 2023年7月:約1026万円
  • ということになります。

    なお、「段落ち」「200タキメーター」といったレア要素を持つ世代(R番)には、黒文字盤が特に少ないとされているため、おそらくですが、これら世代では黒文字盤が最も高い評価になっていると思います。

    いずれにしても、エルプリ世代の「レア要素」は、この5年の間で大きく変わり、特に「段落ち、200タキメーター」といった要素を持つ古い個体は、ものすごく評価されるようになったといえます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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