2002年頃から大ブームとなったパネライですが、その頃「中心」といった存在だったのが、手巻きルミノールの44mmサイズです。
それらは、1番、2番(黒文字盤)と3番、10番(白文字盤)だったわけですが、2002年に事実上のマイナーチェンジである“裏スケ化”が実施。1番は111番、2番は112番、3番は113番、10番は114番となったわけです。
これら型番は、「ザ・パネライ」ともいえる存在であるため人気度が高く、2015年頃まではロレックスのような値動きをしていたといえます。
それはどういうことかというと、「相場全体が高いときには“高く”」、「安いときには“安い”」ということ。例えば、リーマンショック後は約22万円といった水準にまで下落していた一方、アベノミクス後は30万円台後半といった状態に達していたわけです。
けれども、こういった手巻きパネライは、なぜだか2017年頃から値動きしない状態に変化。今回は、これら型番の中でPAM00003を取り上げますが、この3番は2021年4月時点で約38万円という水準だったのです。
3番は、2016年11月時点で約42万円という状態でしたから、2021年に約38万円となるのは、“前代未聞の値下がり”だったといえます。
そして、そういった値動きはこの3番に限らず、上記に上げた「ザ・パネライ」といえる手巻きルミノール全般にいえたといえます。
しかし今、それらパネライに変化が生じているのです。
実際、このPAM00003は、現在約54万円という水準。2021年の“値下がり状態”から回復しただけでなく、過去最高値更新といっても過言でないレベルにまで上昇しているといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年4月 の安値 |
2023年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00003 |
中古 | 2年 4ヶ月 |
¥388,000 | ¥547,700 | 159,700 | 141.16% |
今回、この3番は50万円台になったといえるわけですが、こういった様子は、他の手巻きルミノールでも起こっています。
例えば、この3番の後継モデルにあたる113番は、現在約51万円という水準。こちらも50万円台となっているわけですが、2021年時点では3番と同じく約37万円という価格帯に位置したわけです。
また、10番は約59万円、2番(ルミノバ個体)は約55万円というように、先に述べた「ザ・パネライ」といえる各型番が現在50万円台になっている様子があるのです。
こういった状況を見ると、今、これら手巻きパネライには、大きな変化が生じていると感じます。