時計マニアの中には、腕時計のスペックだけを見て良いか否かを判断する人がおり、そういう人はブランド価値やデザインの価値を否定したがる傾向があります。そういう人にとって、この時計はそこそこ文句ない時計といえるのではないでしょうか。高級腕時計を初めて買う人は、誰かに相談する傾向がありますが、もしもスペック重視の時計マニアに相談してしまったらこの時計を勧められたかもしれません。最もそういうマニアは「正規代理店で買う」ということ意外の選択肢を許しません。ですから、相談してしまったあなたはきっとデパートで新品を買うことになるでしょう。そして、この時計の定価は70万円もするのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年7月 の最安値(ヤフオク) |
2016年2月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゼニス
ポートロワイヤル クロノグラフ エルプリメロ |
中古 | 7年 7ヶ月 |
¥328,000 | ¥268,000 | -60,000 | 81.71% |
さて、あなたが腕時計を何本かもった後、すでに生産中止になって新品で手に入らない時計や通称アンティーク=ヴィンテージものに興味がいくことでしょう。
中古の時計はシェルマンのような特殊な店を除けば、所謂並行ショップで販売されているのが一般的。
そして、あなたは並行ショップで初めて中古の腕時計を買うのです。
すると、時計は「売り買いできる」のだということが分かります。
しかも、「正規店で新品を買え!」と言った先輩も並行時計店で腕時計を買取してもらった経験がある、ということを分かります。
そこで、なぜ自分は26万円で買うことができる時計に70万円も払ってしまったのか!
と気づくわけです。
その差額でグラスヒュッテオリジナルのパノリザーブあたりですら買えてしまいそうです。
ちなみにこのゼニスポートロワイヤルクロノグラフ、ヤフオクの1円スタート競争入札ですが、15万円程度で落札されていたこともあります。
スペックだけを見れば良い時計ですが、市場の評価はそのようなもの。
世の中の出来事もそうですが、どの見方が正しいとは一概に言えないものです。
物事には様々な角度からの“見方”が存在します。
腕時計も単にスペックだけを見るのではなく、様々な角度から評価すると、より一層楽しめるでしょう。