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現在相場考察

PAM00052より安くなった、オフィチーネパネライルミノールクロノPAM00072

2016年10月8日更新
オフィチーネパネライのPAM00072について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年3月の安値(楽天)と2016年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年7ヶ月での変動は¥-31,000だった。

ルミノールクロノ PAM00072についての考察(2016年10月)

エルプリメロといったら有名なクロノグラフのムーブメント。製造元のゼニスより他社製のエルプリ搭載の腕時計のほうが高値という現象で、最も高値な時計として有名なのは5桁リファレンス時代のデイトナでしょう。

このPAM00072は、かつてデイトナに近い存在と扱われていたパネライのクロノグラフ。ルミノールベースやルミノールマリーナ44mmがエクスプローラやサブマリーナのライバルとなっていたように、このPAM00072デイトナに対抗できるパネライのクロノグラフモデルという印象だったのです。

2000年代中頃よりデイライトなど、エルプリでないクロノグラフモデルが登場しましたが、2000年代前半までパネライのクロノグラフというとエルプリ搭載のモデルが基本だったのです。

当時はラジオミールゼニスエリート搭載かつ金無垢限定の高級モデル。そして裏スケ仕様(限定を除く)だってゼニスムーブメント搭載のこれら2つしかありません。ちなみに、他にもクロノグラフモデルは存在しましたが、それらはデットストックムーブメント搭載モデルなどかなり高価な限定モデル。

というわけで、かつてのパネライにとってクロノグラフモデルはかなり高級な位置づけだったのです。

PAM00072は2000年から2002年まで生産されたモデルのため、比較的流通量が多いモデル。エルプリ搭載のパネライといえばこのモデルが最も有名なのは一番生産年が長いからでしょう。

これより前に、ほぼ同じ仕様のPAM00052がありましたが、そちらは最初から「限定」が設定されたスペシャルエディション。1999年のみ生産された希少なモデルですが、最近までPAM00072より安い相場でした。

その現象に違和感を感じた当サイトは8月3日の記事でそのことをお伝えしていましたが、10月になってPAM00072よりPAM00052のほうが高いという正常ともいえる状況に戻った模様です。

オフィチーネパネライ ルミノール 40mm PAM00072¥815,100〜¥954,800(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年3月
の安値(楽天)
2016年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ
PAM00072
中古 0年
7ヶ月
¥698,000 ¥667,000 -31,000 95.56%

このPAM00072、エルプリ搭載かつかつてのパネライの高級モデルということからデイトナ16520と同じニオイがする時計。にも関わらず、現在120万円程度といったデイトナの約半額で買えるというのはお買い得だという印象です。

しかし、そのことは何度か指摘しているものの、PAM00072の相場はここ1年値下がり傾向の模様。

ただこの時計、内容も生い立ちも良いだけに、今より多くの人が知ればまだまだ値上がりの可能性は捨てきれないと思います。

ただ、50万円近辺のクロノグラフには、コレの他にも

  • ブランパンエアコマンド
  • ブレゲアエロナバル/トランスアトランティック
  • など素敵なクロノグラフが多々あるため、どれを選ぶか迷う状態となってしまうのは仕方がありません。

    少なくとも言えることは、これらクロノグラフが他の3針時計やデイトナと比較して非常にお買い得な選択であるということです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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