80年代ヴィンテージのスポーツロレックスといえば、その後の見慣れた5桁リファレンスとの大きな違いが無いのにアンティーク扱いされているという、マニア以外には理解しがたい存在です。
しかし、そんな80年代ヴィンテージでも詳しく見てみると、その間違い探しのような違いの中に実はツボな要素があることが判明し、知れば知るほど好きになるということに気づきます。
そんな80年代ヴィンテージの中でも、かなり特徴があるのがこの16760。
“ファットレディ”という愛称がついていることからも、キャラクターが強いことが分かる1本です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年10月 の安値(ヤフオク) |
2016年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 “ファットレディ” 16760 |
中古 | 4年 1ヶ月 |
¥380,000 | ¥692,000 | 312,000 | 182.11% |
現在GMTマスターといえば、GMTマスター2しか存在していませんが、
GMTマスターには、
と2種類が存在。
GMTマスター以外の『2』が付くモデルは“1”に対して見た目がかなり違うという特徴がありますが、GMTマスターの場合見た目の違いはほぼなく、搭載するムーブメントの機能が違うという差なのです。
そしてGMTマスター(1)のほうは1999年に生産終了。それから現在まで2のほうしか販売されていません。
当初は“赤黒ベゼル”のみのラインナップだったため、2つのGMTマスターの違いがハッキリとしていたのですが、80年代以降の5桁時代になるとGMTマスター2にも青赤ベゼルが採用されたりしたため両者の違いがわかりづらくなったのです。
ということは、80年代ヴィンテージで赤黒ベゼルを採用するのはこのモデルだけということ。
しかし、今となっては青赤ベゼルこそGMTマスターにおける最も人気の高い配色。
80年代ヴィンテージの赤黒ベゼルが希少だと言われても、それに対して魅力的だと感じる人はあまりいないことだと思います。
ただし相場は他のGMTマスター2と比べると若干高めの印象。
その理由はまさしく“ファットレディ”という違いのほうに存在する模様です。というのも、このモデルの特徴は厚めのケースデザインに存在。それこそまさに、今の時代においても通用する希少性として成り立っている要素なのです。
よって、このファットレディ、他のモデルと一味違う1本としてそこそこ需要のある存在です。
ちなみに、本記事の個体は『非常に良い』という評価でもベゼルが色あせていますが、それは当時のオリジナルコンディション維持するためにあえてベゼルディスクを交換していないのでしょう。80年代ヴィンテージの場合、90年代の5桁リファレンスと見た目が似ているが故に、ロレックスにて部品交換を行う90年代モデルと同様のものになってしまいその微細な差が失われてしまうという点は今後も悩ましい要素です。