116710LNは、2007年に登場したSSモデル初のセラミックベゼルモデル。
ロレックスは、2005年にK18のGMTマスター2にセラミックベゼルを初搭載し、その後スポーツ系のベゼルを順次セラミック化していった経緯があります。
しかしながら、セラミックベゼルで「赤・青」といった塗り分けが難しく、セラミック世代となったGMTマスター2は、当初「黒ベゼルのみ」という展開となっていました。
そういった状況を打破したのが、2013年。その際「黒・青」に塗り分けられたベゼルを持つ116710BLNRが出たのです。
そして、翌年2014年には「赤・青」が復活。ただし、その際はWGモデルのみの展開となっていました。
こういった経緯があったため、いつしか「黒ベゼル」のGMTマスター2は“人気がない”といった印象に変化。この116710LNの場合、2016年から2017年頃において「セラミックベゼル最安値」となっていた時期があるほどでした。
けれども、2018年頃から116710LNは目立って上昇。このときから「セラミックベゼル最安値」といったポジションではなくなりました。
そして2019年、116710LNは生産終了。今度は逆に、GMTマスター2から「黒ベゼル」消滅したのです。
その時から、ある意味「カラーべゼルよりも黒ベゼルのほうがレア」ともいえる状態となったわけですが、中古相場では116710LNがカラーベゼルモデルよりも高値となることはありませんでした。
そんな黒ベゼルでありますが、今年、2024年の新作発表でSS黒ベゼルモデルが5年ぶりに復活。
そうなると、この116710LNの中古相場にも影響があるかと思ったわけですが、発表時には特に大きな影響はありませんでした。
しかし、そう思っていたら、4月下旬の今、なんと116710LNが上昇している様子が発生。
現在水準は約174万円となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年8月 の安値 |
2024年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 116710LN |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥1,628,000 | ¥1,745,000 | 117,000 | 107.19% |
116710LNは、新作発表時において2023年8月水準と「特に大きく変わりない」といった様子。今月上旬時点では160万円台だったのです。
それが今、116710LNは約170万円台に変化。変動額は約11万円の上昇ですが、これは短期間で急激に変化したといえます。
そういった意味で、今回の116710LNの変動は、「黒ベゼルの新型登場」ということが相場に影響したのでしょう。
ちなみに、「生産終了」が明らかになったヨットマスター2については、現時点でもあまり反応が見られません。
今年の新作発表では、「新型登場」による旧モデルの上昇は起こっても、「生産終了」になった旧モデルの上昇は起こらなかったといえます。