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阿部泰治のパテック論 ~第209回~ 阿部イチオシの 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』をご紹介!!

2024年5月5日更新

今回は、私が愛してやまない、レマニアベースのムーブメントを搭載した『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.3970EJ-014」が入荷しましたので、ご紹介したいと思います。

昨年末に「Ref.3970EG-001」が入荷した際にも多数お問い合わせをいただいたのですが、今回は、販売年が極めて最終に近い、かつ付属品も完品のオススメ個体なので、熱量高めでご紹介していきたいと思います!

またこちらのモデル、私が業界に飛び込んだ時には、まだ見かける機会も多少あったのですが、当店を始めてからは、ケースの素材違いを含めても年に数本しか入荷していない希少モデルとなっています。是非とも本コラムを読んでご興味を持って下されば幸いです!

【目次】
◆ 「Ref.3970EJ-014」 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KYG
◆ まとめ

「Ref.3970EJ-014」
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KYG

18KYG(イエローゴールド)ケース×爽やかなシルバー文字盤との組み合わせがクラシカルなで上品な『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.3970EJ-014」。

12時位置にあるカレンダー小窓、3時、9時位置に配された積算計、9時位置のムーンフェイズその外周にあるデイト表示、文字盤外周のミニットスケール、文字盤デザインと、全てが完璧なバランスで仕上げられています。

本題へと入る前に「Ref.3970」についてご紹介したいと思います。

販売時期によって仕様に違いのある「Ref.3970」は、その種類からもマニア心をくすぐり、今では多くの時計ファンを魅力する憧れのモデルとして存在しています。

そして、初登場したのが1986年。『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』搭載モデルの二代目にあたる「Ref.2499」の後継モデルとして発表されました。

第一世代と言われる個体は生産本数が僅か100本と言われており、その特徴はケースバック(裏蓋)がクローズドのスナップバック(はめ込み式)であったこと、そしてインダイヤルの色味が異なり、コントラストが効いたクラシカルな雰囲気であったことです。ケース素材も18KYG(イエローゴールド)のみでした。私も実際にお目に掛かったのは、海外の時計オークションのプレビューで見たかな?というくらいで、今となっては非常に希少なモデルであります。

ちなみに、同時期に発売されていた「Ref.3971」というモデルもございますが、こちらはケースバック(裏蓋)の仕様がサファイアのスケルトンバックのみで、こちらもまた希少なモデルであります。また、こちらも18KYG(イエローゴールド)ケースのみ存在しています。


※Ref.3970(第二世代)

その後、1991年頃まで製造されていたのが第二世代です。

リーフ型の針とバーインデックスを採用している点は、第一世代と変わらないのですが、インダイヤルはダイヤルと同色になりました。裏蓋はスクリュー(ねじ込み式)のクローズドバックがほとんどとされていますが、生産期間(1986年~1991年頃)の極めて後半にスケルトンバックのモデルも存在しております。当店でも過去に「Ref.3970EJ-051」を販売したことがあり、その際は複数名のお客様からお問い合わせをいただき、即販売へと至りました。

その後、今回ご紹介する第三世代「Ref.3970E」が登場します。

「Ref.3970E」の”E”はetanche=フランス語で「防水」を意味し、ねじ込み式で、クローズドバックとサファイアクリスタルのシースルーバックがセットで販売されるようになりました。諸説ありますが、顧客たちより「Ref.3970」モデルのスケルトンバックの個別注文が相次いだという話を受けて登場したとも言われてます。

初期に生産されていた個体は尾錠が(ピンバックル)で、1990年代半ばもしくは半ば以降の生産個体からフォールディングバックルに切り替わっています。この世代が一番製造個数は多いですが、ここ数年、コレクターの方からの支持もあり、大袈裟な言い方にはなりますが、”枯渇状態”であると思います。通常はシルバー文字盤ですが、この世代から18KWG(ホワイトゴールド)ケースとPT(プラチナ)ケースに黒文字盤×バーインデックスという仕様も登場します。
※PT(プラチナ)ケースには黒文字盤×ダイヤモンドインデックスもあります。

一通りご紹介したところで、話を本題に戻しましょう。

ケース径は36mmと、少々小ぶりになっておりますが、厚みは13mmと、存在感ある仕様になっているため、実際に見てみると、もっと大きいのでは?と勘違いしてしまうような存在感があります。

サファイアクリスタルバックから鑑賞いただける、名機としても名高い「Cal.CH 27-70 Q」は、本当に美しいの一言に尽きます。こちらのムーブメントは、「Ref.3970」の後継機にあたる「Ref.5970」や、スプリットセコンドが機能が追加で搭載されている「Ref.5004」などにも採用されています。

極めて高年にあたる2004年に販売された個体で、付属品もしっかりと揃っています。また、使用による細かなスレこそございますが、目立つキズや打ち傷が見られず、ポリッシュ感も少ない、印象の良い個体となっておりますので、コレクションピースとして非常にオススメです。
※ラグ裏の刻印も綺麗に残っております。

気になる販売価格は、、、

と言いたかったのですが、本記事公開直前に多数のお問い合わせをいただき、今回も販売が終了してしまいました。。。

生産数が多いと言われている第三世代においても、付属品が揃っており、なおかつ状態が良いということで、注目度は高かったようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

国内で販売されている「Ref.3970」はほぼ無く、コレクターズアイテムとしても相応しいこちらのような個体は、海外を探してもほぼ無いと思います。今回も掲載時から多数のインタレストをいただき、残念ながら即販売となってしまいましたが、次なる「Ref.3970」の早期入荷を実現すべく、誠心誠意努めて参りますので、またの入荷をお待ちください!!

引き続き、みなさまにとって有益な情報を少しでも多くお伝えしていければと思いますので、次回のパテック論を楽しみにお待ちください!

ではまた!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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