ジャガールクルトというブランドは良い腕時計を造るマニュファクチュールとして一目置かれる存在です。
しかし、ジャガールクルトが高級腕時計の位置づけにおいてどの位置にいるかというと、曖昧な位置だと思います。
ベンツのSクラス、Eクラス、Cクラスを例として、Sクラスが三雲ブランドとするならば、ジャガールクルトはEクラス的な位置づけとなるでしょう。
他にもEクラス的なブランドは多々ありますが、ジャガールクルトに関しては三雲ブランドにムーブメントを供給するほどの実力を持ちながらもこの扱い。
では商品力が微妙なのかというとそんなことはありません。
このレベルソのように、他に例を見ないほど特徴的で、美しく、中身も良いという最高のモデルが存在します。
なのに、これ30万円後半で買うことができるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年12月 の安値(ヤフオク) |
2016年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ジャガールクルト
ビッグレベルソ 270.8.62 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥408,000 | ¥397,980 | -10,020 | 97.54% |
比較的マニアックな腕時計という存在のレベルソですが、金無垢モデルに関しては値上がりしているということは以前の記事に書いたとおりです。
しかし、同じレベルソでもステンレスのシンプルなモデルに関してはここ10年ほど相場が安定しているという印象です。
ただレベルソの場合、見た目が似ていてもリファレンスが多々あり、モデルを特定するのが難しいという難点も存在。
オーデマピゲのロイヤルオークもそうですが、モデル自体のインパクトは強くても、モデルが無数に存在する場合、人気が分散して価値が上がりづらいという現象があります。
またレベルソの場合、ビッグレベルソやレベルソクラシック、そしてレベルソデュオなど、写真1枚では違いが判別不明なモデルが多いというのもマイナス要素の一つ。
レベルソのことをよく知らない人にとってはそれらの違いが分かりづらく、レベルソに詳しくなったとしても判別が難しいというのは「買いづらい」という事になってしまうのです。
つまり、多々あるレベルソの中でどれを基準としてよいのか分からない。その上、欲しいモデルを決めたとしても、それを探すのには他の時計を探すことより労力が伴うのです。
よって、レベルソはこれだけ良い時計であるのにもかかわらず30万円台後半で買うことができるのです。
最近、フランクミュラーのカサブランカなどこの価格帯で買える“かつてロレックスより高かったモデル”が増えてきました。
そして、その中でかなりお買い得なのがこのビッグレベルソなのだと思います。