CPCPは、1998年からカルティエが展開した最高級ラインですが、2002年に自社製ムーブメントモデルとして登場したのがタンクアビスであります。
これは、文字盤を見ると分かるように、2つの時間帯が表示できるモデルなのですが、こういった見た目を採用するモデルにありがちな“要素”がありません。
それが、竜頭の数であるのですが、通常、文字盤上に「2つの独立した文字盤」があるようなモデルは竜頭が2つということが多く、仕掛けとしては単に2個のムーブメントが搭載されているということが多いわけです。
しかし、タンクアビスの場合竜頭が1つ。つまり、1つのムーブメントで2つの時間帯を表示させるという複雑機構が搭載されているのです。
こういった仕掛けや、当時のカルティエとしては珍しい『自社製ムーブメント』という内容から、タンクアビスの定価は250万円程度と、その時期のパテックフィリップコンプリケーションと同じような水準だったのです。
しかしながら、前回このW1534351をお伝えした2016年10月時点では、なんと約84万円といった相場でした。
筆者は、CPCP全般が好きなため、タンクアビスを昔からチェックしているのですが、2016年に限らず、その後も80万円台ぐらいで購入可能だったと記憶しています。
そういった状況が続いていたCPCPですが、2023年頃までには「ガバっと上昇」するように変化。いずれも、“CPCPのコンセプトに見合った中古相場”になったといえます。
では、このタンクアビスのWGモデルであるW1534351は、現在どういった水準になっているのか。その答えは、なんと約470万円であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年10月 の安値 |
2024年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
タンクアビス W1534351 |
中古 | 7年 9ヶ月 |
¥845,000 | ¥4,708,000 | 3,863,000 | 557.16% |
W1534351は、この7年9ヶ月間で386万円もの値上がりとなったわけですが、これは約5.5倍もの伸びとなったことになります。
なお、470万円台という現在相場は、同じ世代のパテックフィリップコンプケーションモデルと同等ですから、タンクアビスの中古相場はパテック並になったといえます。