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現在相場考察

約38万円といった状態、パシャ38mm W31040H3

2024年8月5日更新
カルティエのパシャ38mmW31040H3について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年2月の安値と2024年8月の安値を比較し現在相場を考察。この4年6ヶ月での変動は¥137,200だった。

パシャ38mm W31040H3についての考察(2024年8月)

近頃、目立った上昇が多い90年代カルティエでありますが、当時の高級モデルであるパシャ38mmは、どのモデルを例としても値上がり傾向だといえます。

今回取り上げるのは、3針グリッド付きモデルであるW31040H3パシャは、パシャ大公の「プールで使える時計がほしい」というリクエストをルーツとするモデルでありますが、グリッドはそれを象徴する存在だといえます。

風防を守るという役割を果たすグリッドは、まさにプールで使うのに最適だといえます。

それゆえ、パシャにおいて、「グリッド」という存在は重要で、パシャCのサーモンピンク文字盤とグレー文字盤には、文字盤のデザインとして「グリッド柄」が施されているほど。

ただ、実際に「グリッド」が装着されたモデルは、そこまで多くありません。

このパシャ38mmには3針、GMT、クロノグラフがありますが、グリッド付きモデルは3針にのみ用意されているのです。

ちなみに、女性向けの32mmは当時のパシャで「基本K18のみ展開」という最高級モデルでしたが、そのグリッド付きモデルを浜崎あゆみが個人的に持っていた模様。2000年頃、浜崎あゆみの人気度は凄まじかったわけですが、同じ「グリッド付きモデル」ということから、このW31040H3が「あゆモデル」などと言われていました。

そんなW31040H3でありますが、「グリッド」というパシャアイコンを備えるだけあって、従来から中古相場は通常の3針よりも高めでした。

リーマンショック以降、パシャ38mmは下落したわけですが、『グリッドなしが約22万円程度だったならば、グリッドありは約28万円』といったような感じだったといえます。

しかしながら、2010年代後半になるとグリッドの相場は通常の3針と変わらないような相場に変化。

前回このW31040H3をお伝えしたのは2020年2月でしたが、その際は約25万円となっていたのです。

そんなW31040H3でありますが、現在水準はなんと約38万円といった状態(ABランク以上のボトム価格)。

これもまた、やはり他の90年代カルティエと同様、大きな変化となっているわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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カルティエ パシャ グリッド W31040H3 メンズ

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年2月
の安値
2024年8月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
パシャ38mm
W31040H3
中古 4年
6ヶ月
¥250,800 ¥388,000 137,200 154.70%

2020年2月⇒現在で、W31040H320万円台中盤だったのが30万円台後半に上昇したわけですが、こういった変化をした一方で、変わらない部分があります。

それは、グリッドなしモデルとの相場差があまりないという点であります。

先に述べたように、従来グリッドを備えるW31040H3は、グリッドなしよりも高い価格帯に位置していた経緯があります。

そういったことを考えると、W31040H3は、グリッドなしモデルと比べると、伸びが若干弱いという側面があるのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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