ブルガリアルミニウムは1998年にデビューしましたが、その際世界的に「大注目」となっていた経緯があります。
筆者が1998年にイタリアに行った際、AL38A(メンズサイズ、唯一の機械式)はどの正規店でも売り切れ。まさに、現在のスポーツロレックスのように入手難易度が高い状態だったのです。
そして、デビュー翌年の1999年にはクロノグラフモデルが追加されました。
ただ、アルミニウムの入手難易度が高いという状況は、長らく続くことがなく、2000年代前半頃には、定価よりも安価な並行輸入品が珍しくない状態となっていました。
2001年1月の新品実勢価格は、AL38A(3針)が14.8万円である一方、このクロノグラフは24.8万円といった水準でした。(いずれも税抜き価格)
クロノグラフは、3針機械式の10万円高といった価格帯になっていたわけですから、同じアルミニウムでもかなり高いという印象だったといえます。
そして、そういったイメージは後の中古相場にも影響。2017年時点で、AL38A(3針)は10万円未満で購入可能という状態だった一方、このクロノグラフは当時でも約12万円という価格帯に位置していたのです。
さて、近頃といえば、こういった世代のブルガリが値上がりするという現象が目立っていますが、アルミニウムのAL38A(3針)については、2021年時点ですでに「高くなっている」という感覚がありました。
その一方で、クロノグラフについては目立った反応がないという状態が続いていたわけで、最後に、AC38TAをお伝えしたのは、2017年12月であります。
そんなAC38TAでありますが、2024年現在では上昇傾向に転じている様子。
現在水準は約19万円(ABランク以上のボトム価格)となっているのですが、これは2017年12月水準に対して約6万円高値といった状態であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値 |
2024年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
アルミニウム 後期文字盤 AC38TA |
中古 | 6年 8ヶ月 |
¥129,600 | ¥195,800 | 66,200 | 151.08% |
AC38TAは久々に値動きした印象ですが、今回の動きは『10万円台前半から後半になった』といった程度。
残価率は約151%と優秀といえるものの、他の同世代ブルガリの変動を考慮すると、例えば20万円超えといった変化が起こっても不思議でなかったでしょう。
そういった意味でAC38TAは上昇傾向であるものの、お得感があるという側面があるといえます。