パシャ38mmは当時のパシャシリーズの「高級モデル」でありますが、その売れ筋モデルはステンレスだったといえます。
そんなステンレスのパシャ38mmに対して、2001年に「上級版」としてデビューしたのがN950シリーズ。これは、ベゼル部分がプラチナとなっているのですが、通常のパシャ38mmとは異なり黒文字盤が採用されているという特徴があります。
ラインナップは、3針グリッド、GMT、クロノグラフの3種類で、いずれも革ベルトのみの展開です。
デビュー当時、このN950シリーズは、黒文字盤ということもあって「大きな注目度」となっていましたが、2010年代後半になると「他のパシャ38mmとの違い」を知っている人は少数派になっていたといえるでしょう。
そのため、中古相場は比較的安価といった状態で、グリッド3針のW3105255は、2021年2月時点でも約29万円で購入可能でした。
2021年といえば、パシャCをきっかけに、こういった世代のカルティエが値動きし始めた年でありますが、その頃でもW3105255は20万円台だったのです。
そんなW3105255でありますが、現在水準はどうなっているかというと、その答えは約49万円。
やはりこのN950もまた、他のカルティエ同様「大きな上昇」となっている様子であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年2月 の安値 |
2024年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm W3105255 |
中古 | 3年 6ヶ月 |
¥294,900 | ¥499,800 | 204,900 | 169.48% |
なお先日、3針グリッドのブレスレットモデルであるW31040H3を記事で取り上げましたが、現在そちらは約38万円といった水準。それに対してこのW3105255は約49万円ですから、3針グリッドはN950のほうが約10万円高となっています。
こういった相場差を見ると、N950はデビュー時のような評価を取り戻したといった感覚になります。
ただし、クロノグラフの場合、通常版よりもN950のほうが安価といった状態。W31030H3は現在約51万円である一方、N950のW3105155は約50万円です。(どちらもABランク以上のボトム価格)
ですから、N950は全体的に評価されたというよりも、3針グリッドモデルだけが、特にN950の評価が高いといった状態なのです。