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阿部泰治のパテック論 ~第224回~ 魅惑の『ワールドタイム クロワゾネ』「Ref.5231J-001」をご紹介!!

2024年8月18日更新

連日のうだるような暑さに加えて、パリ五輪も開催されているため、夏バテ+寝不足の方も多いのではないでしょうか。4年に1度の祭典ということもあり、応援したい気持ちもあると思いますが、まずはご自身の体調を崩さないよう十分に気を付けてくださいね。

と言いつつ、私も仕事から帰宅してテレビを点け、応援するのが日課となっています。眠いです。(笑)今回は、日本のお家芸でもある柔道で様々な波乱もあり、メダルラッシュとまではなっていませんが、最後まで一生懸命応援しましょう!

さて今回は【パテックフィリップ】の歴史上、とても重要な位置付けにあるモデルが入荷しておりますので、そちらをご紹介したいと思います。ぜひ最後までご覧ください!

「Ref.5231J-001
ワールドタイム クロワゾネ』18KYG

現代版『ワールドタイム』の三代目に当たる「Ref.5230」をベースに、インダイヤル中央部分にクロワゾネ本七宝を施した『ワールドタイム クロワゾネ』「Ref.5231J-001」。

ワールドタイム クロワゾネ』に共通して言える事ではありますが、どれもが非常に精巧に作られており、もはや芸術作品と言っても過言ではありませんね。

さて、本題へと入る前に、これまでに発表されてきた現代版『ワールドタイム クロワゾネ』について、簡単におさらいしたいと思います。

現代版『ワールドタイム』の二代目に当たる「Ref.5130」をベースに、2008年に発表された「Ref.5131J-001」。

文字盤中央部分には、クロワゾネで描かれた大西洋を中心としたヨーロッパ、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸が描かれています。

その翌年にあたる2009年に18KWG(ホワイトゴールド)ケースで発表された「Ref.5131G-001」。

こちらの文字盤中央部分には、ユーラシア、アフリカ、オセアニア大陸が描かれており、なんとなくではありますが、日本と思われる存在を見つけることが出来ます。

2015年に、18KRG(ローズゴールド)仕様で発表された「Ref.5131R-001」。

こちらは、太平洋を中心にアジア、オセアニア大陸、南北アメリカ大陸が描かれております。こちらのモデルでは日本の存在をしっかりと確認する事が可能で、クロワゾネの色使い、バランスがとても良いと思います。

そして『ワールドタイム クロワゾネ』シリーズの大トリとして2017年にPT(プラチナ)ケース・ブレスレット仕様で発表された「Ref.5131/1P-001」。

シリーズ唯一のブレスレット仕様となっているこちらでは、北極を中心に北米とユーラシア大陸の北方が描かれております。中心の北極や北方のアメリカ、ユーラシア大陸の上部が”雪”であるため、白を基調としたデザインにまとめられていると思われます。従来のカラフルな文字盤に比べると、非常に落ち着いた印象に仕上げられていますね。

二代目「Ref.5130」から、2016年に切り替わった三代目『ワールドタイム』「Ref.5230」。

ムーブメントには、これまでの『ワールドタイム』にも採用されていた名機と呼ぶに相応しい「Cal.240 HU」を搭載しており、ケースは39.5mmから38.5mmへとサイズダウン、文字盤中心部分は凝ったギョーシェ仕上げ、そして針は初代と二代目を組み合わせたデザインへと変更になりました。


そして、「Ref.5230」をベースとし、リューズガードがなくなったことでスッキリとした見た目になった、本題の「Ref.5231J-001」が2019年に登場します。

これまでの『ワールドタイム』に比べて、デザイン、ラグの形状なども大きく変わり、従来よりクラシックな印象となりました。『ワールドタイム』の名作である「Ref.2523-1」を彷彿とさせるデザインでもありますね。

これまでの「Ref.5131」シリーズにはブランド名である【PATEK PHILIPPE】がケース上部にエングレービング(彫られる形)されていましたが、文字盤上部に記載されているのも過去の『ワールドタイム』を彷彿とさせますね。

文字盤中央部分には「Ref.5131J-001」と同様に、美しいクロワゾネ本七宝で描かれた大西洋を中心としたヨーロッパ、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸を見ることが出来ます。私がこれまで見てきた『ワールドタイム クロワゾネ』シリーズの中でも最も美しい色使いであると思います。

スケルトンバックから鑑賞いただける『ワールドタイム』機構を搭載するムーブメントは、現代版『ワールドタイム』の初代から採用されている「Cal.240 HU」。超薄型自動巻ムーブメント「Cal.240」をベースにしていることもあり、ケース厚も10.23mmに抑えられております。22Kのマイクロローターに刻印されたカラトラバ十字も美しく、これまた芸術品のようですね。

また、こちらの「Ref.5231J-001」と入れ替わるタイミングで、18KWG(ホワイトゴールド)仕様の「Ref.5231G-001」が登場し、現行モデル唯一の『ワールドタイム クロワゾネ』として2024年8月現在、ラインアップされています。

こちらは、太平洋を中心に主に東南アジアとオセアニア大陸が描かれておりますが、入荷数も極めて少なく、当店でも先日”初入荷”しておりますが、即完売となっております。

保証書日付は2021年5月。極めて高年に販売されている個体となります。保管時に付いたと思われる微細なスレこそございますが、着用されていない未使用品でございます。

※ラグ裏にベルト交換時に付いたと思われる小キズが一箇所ございます。

気になる販売価格は、16,555,000円(税込)

商品ページはこちら

既に生産は終了しており、市場での出回りも極めて少ないモデルとなりますので、購入をお考えだった方はお早目のお問合せをお待ちしております。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回、久しぶりの入荷となった『ワールドタイム クロワゾネ』ですが、当店創業以来、私が出来る限りお取り扱い出来るようにと心掛けていたモデルの一つであり、今後もっと、評価されてくるのではないかと思っているモデルでもあります。希少性の高い一本ですので、いつ旅立ってしまうかは分かりません!お探しだった方、迷われている方は、まずお問合せいただければと思います!

まだまだ暑い日が続きますが、くれぐれも体調管理だけは気をつけてくださいね!!

ではまた!!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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