ノーチラスは1976年にデビューしてから29年間もの間、長らく3針モデルのみのラインナップとして存在していました。

それが2005年にプチコンプリケーションの3712/1Aが登場。

翌年2006年には新しい自社製クロノグラフムーブメントを搭載した5980/1Aが追加。

そして2010年、ノーチラスにこの『年次カレンダー』モデルが加わったのです。

パテックフィリップ ノーチラス 5726/1A-010（現在参考の腕時計がありません）

本記事の価格比較

年次カレンダーといえば、1996年に発表された5035に初めて搭載された機構。

長らく年次カレンダーといえば5035しかありませんでしたが、その他のモデルにも展開したのは2005年頃から。

ただし、例外があって、それは2003年にWEMPE125周年モデルとして特別発売された5125です。

これはドイツの時計販売店WEMPEが特別にオーダーしたモデルであるため、通常モデルというよりは特殊なモデル。

しかしその際、ヴィンテージパテックの3448を彷彿とさせるデザインが美しく、世界中で注目されたのです。

きっと、パテックフィリップは気づいたことでしょう。この3448系統のデザインこそが、最も人気が出そうだということを。

そして2006年にまさしくWEMPE的なデザインの5396がデビューします。

ただ、このときは文字盤のデザインがかなりイメージと違ったため、ぱっと見た感じはWEMPE的ではありません。

そして2010年、やっと文字盤のデザインが変更されて5396はWEMPE的なデザインになったのです。

それと同じ時期に登場したのがこのノーチラスの年次カレンダー。

小窓カレンダー＋ムーンフェイズという人気のあるデザインの年次カレンダーをそのままノーチラスに導入したというのはかなりの驚き。

この時計、年次カレンダーという複雑機構とノーチラスという人気のモデルであるが故に、ステンレスでも300万円以上は当たり前の時計。

デビューした2010年頃など、腕時計が全体的に安かったため、いくらノーチラスの年次カレンダーでも300万円以上もするのは高いと思った方も多いでしょう。

しかし、その後パテックフィリップ全体の値上がりとともにこの時計もきちんと値上がり。

他のパテックフィリップのように100万円値上がりしたわけではありませんが、この時計を3年ほどつけて楽しんで20万円値上がりするというのは良いことだと思います。