腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

パテックフィリップノーチラス3800黒文字盤ローマン、90年代後半モデルのノーチラスは新品で買っても値上がり

2016年12月10日更新
パテックフィリップのノーチラス3800/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2005年春頃の安値(タイムトンネル)と2016年12月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は¥750,400だった。

ノーチラス 3800/1A-001についての考察(2016年12月)

ノーチラスといえば、水平エンボス加工の“しましま”な文字盤が特徴的で、1970年台にデビューした時から現在まで続く仕様です。

しかし、90年代後半においてそれは少しばかり古臭く見えたため、『当時の近代的なデザイン』としてこのマットな黒文字盤が追加されました。

そして、90年代後半から2000年代前半にかけて、“新品のノーチラス”とはこのマットな黒文字盤の3800かパワーリザーブ(3710)を指したのです。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2005年春頃の安値(タイムトンネル) 2016年12月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
3800/1A-001
新品 12 ¥1,388,000 ¥2,138,400 750,400 154.06%

この90年代後半モデルでも、ノーチラスを象徴するエンボス加工の青文字盤は存在していましたが、黒文字盤と比較してかなり数が少ないという印象。

また、3800にはエンボス加工の白文字盤も存在しましたが、どの文字盤でも特に値段が違うという現象はありませんでした。

デイト表示が明朝体かゴシック体かによる価格差は若干ありましたが、それは年式による評価の違いです。

当時のスポーツロレックスにも見られたように、バックルがシングルかダブルか、文字盤の発光塗料がトリチウムかルミノバかという差によって、近代的もしくは古臭いという印象の差があり、より近代的なモデルのほうが好まれた傾向があったのです。

そして、ノーチラスの場合、ゴシック体デイト表示になる以前のモノは基本的に青文字盤だったため、安く手に入るモノ=青文字盤という印象がありました。

ただ、前途のようにそれは年式による価格差だったため、青文字盤でもゴシック体のものは黒文字盤とそんなに値段が変わらなかったのです。

で、その頃ノーチラスはいくらだったかというと、新品が80万円台後半ぐらいという相場

90年代後半から2002年ぐらいまでそういう傾向でしたが、2003年から2005年にかけてじわじわと値上がり

この記事の2005年の相場を見ると今より75万円も安いとびっくりしていしまいますが、実は当時としても40万円近く値上がり状態だったのです。

ですからその頃、ノーチラスを買いたいと思っても、かなり割高という印象に違いはありません。

しかし、もうお分かりの通り、その時点で“割高な新品”を買ったとしても、そこから75万円も値上がりしているのです。

ということで、腕時計を買う際に重要なのは、その時点での価格で判断するのではなく、将来的な価値を予測すること

そうすれば、このノーチラスのように、良い時計を何年もつけて楽しんで、買った値段より高く売るということが可能となるのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。