1996年に登場した初代年次カレンダー、5035が最近安いということは何度かお伝えしましたが、パテックフィリップが全体的に値上がり傾向な今において200万円を切ってしまいました。
ちなみに、10年ちょっと前までこの時計の半額以下だったステンレスのノーチラス3800は、現在200万円以上。
当時はノーチラスよりだいぶ高級だったこの時計が今となってはノーチラスよりも安いのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年9月 の安値(楽天) |
2016年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
年次カレンダー 5035G |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥2,107,080 | ¥1,936,000 | -171,080 | 91.88% |
2006年ごろまでノーチラスといえば、パテックフィリップの中で異色なモデルという存在。
その頃、パテックフィリップの本流といえばカラトラバであり、ノーチラスは邪道であるという評価をする人が多かった印象です。
しかし同じ頃、同じく三雲ブランドのオーデマピゲに関してはノーチラスのライバルであるロイヤルオークが主流モデルとなっていたため、ノーチラスが今のようにパテックフィリップの看板モデルとなるのは時間の問題でした。
とはいえ、年次カレンダーという複雑機構を搭載したプチコンプリケーションよりも高値になるとは誰も予測できなかったのではないでしょうか。
確かに、ノーチラスは強い腕時計です。ですから、同じく3針のカラトラバと比較した場合、相手が金無垢であったとしてもそれより高くなるのは分かります。しかし、永久カレンダー搭載モデルより3針ステンレスのノーチラスが高いというのは行き過ぎであるという評価になっても仕方がありません。
ということで、かつてノーチラスの倍した時計を逆に半額で買える、という現象が今起きています。
常識は変わるといえども、これほどまでに逆転するという事例はかなり珍しいことです。
ちなみにこの年次カレンダー5035G、パテックフィリップが今より安かった2012年において170万円台という相場だったため、現在の相場でも安いときと比べて20万円値上がりした状態。
とはいえ、他のプチコンプリケーションが2012年と比べて100万円単位で値上がりしている中、20万円の価格差しかない5035Gはかなりのお買い得モデルだと思います。
特に、ホワイトゴールドの”G”は、イエローゴールド(5035J)などに比べて現行当時人気だったモデル。
イエローゴールドよりホワイトゴールドのほうが高いということに加えて、黒文字盤を採用しているというのが需要にマッチしていたのです。
しかし近頃、かつて最も人気だったこの5035Gが安く買えるという現象が起きています。