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現在相場考察

ステップ秒針の機械式、ラジオミールインディペンデントPAM00080

2024年10月30日更新
オフィチーネパネライのラジオミールPAM00080について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年2月の安値と2024年10月の安値を比較し現在相場を考察。この6年8ヶ月での変動は¥1,857,000だった。

ラジオミール PAM00080についての考察(2024年10月)

昨日の記事でも、高級モデルだった時代のラジオミールにおけるスペシャルモデルをお伝えしましたが、今回は、「搭載するムーブメントがスペシャル」といった方向のモデルを取り上げたいと思います。

当時のスペシャルラジオミールには、「デッドストックムーブメント搭載」といった夢のようなモデルが多々あったのですが、そういったモデルはめったに中古市場に出てきません。

そんなスペシャルムーブメント搭載モデルとして、現在PAM00080が販売されているので、今回取り上げたいと思います。

このPAM00080は、ラジオミールインディペンデント」と名付けられたモデルなのですが、数あるスペシャルモデルの中でも、あえて名称が設定されているのは「なぜ」かというと、面白いメカニズムを搭載するモデルだからであります。

この80番に積まれているのは、Chezard Cal 7400というムーブメントなのですが、これはなんと「機械式でありながらステップ秒針を刻む」というメカニズムが備わっているのです。

ステップ秒針といえば、クォーツ時計の針の動きでありますが、現在ではそれが『クォーツが不人気』とえる大きな理由だといえます。

しかしながら、クォーツ腕時計が一般化される前の時代、つまり1960年代頃までは「ステップ秒針のほうがレア」。実際、機能としてはステップ秒針のほうが正確な時間が分かりやすいといえるため、クォーツ前の時代には、「機械式でステップ秒針を実現させる」という需要があったのでしょう。

しかし、そういったメカニズムを持つ機械はそれほど多くありません。

この80番が登場するはるか前の時点で「ステップ秒針の機械式モデル」という存在のレア感は現代と全く同じ印象だったといえます。

ですから、2001年に限定モデルとして登場したPAM00080にもあえて「インディペンデント」という名前をつけたわけで、その「機械式でステップ秒針」という意外性を推したモデルだといえます。

そんな80番でありますが、2018年2月時点で約242万円といった中古相場となっており、当時の「バケットダイヤモデル」相場よりも高値となっていました。

では現在、この80番はどういった水準になっていると、その答えはなんと約428万円

2018年⇒現在で実に185万円もの値上がりとなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年2月
の安値
2024年10月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ラジオミール
PAM00080
中古 6年
8ヶ月
¥2,427,600 ¥4,284,600 1,857,000 176.50%

なお、この80番の中古市場への出現頻度は3年に1度といった程度でありますが、過去相場を見ると出るたびに高くなっているといった印象です。

特に相場が上昇したのは2021年ですが、その際この80番は約399万円となっていました。

そして、驚くことにそういった価格帯でも出現からわずか数日といった短い期間で売り切れとなっているのです。

また、その他の時期でも80番は、これまで登場から1ヶ月以内に売り切れ状態となっているため、なにかと需要が高いモデルだといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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