5桁世代において、最もオーソドックスなスポーツモデルという存在感だったサブマリーナーの16610。
前回、この16610をお伝えしたのは2023年12月と、今から1年前となってしまいましたが、その際は約119万円となっていました。
では、現在水準はどうかというと、その答えは約119万円。
この1年で、“ほぼ変わっていない”状態でありますが、実は今、16610には数値だけでは見えてこない変化があるといえる部分があります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年12月 の安値 |
2024年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナー 16610 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥1,199,800 | ¥1,198,000 | -1,800 | 99.85% |
先のように16610は、現行時代において「最もオーソドックスなスポーツ系」という印象。非・スポーツ系で例えるなら、デイトジャスト16233シャンパン文字盤といえるような存在です。
そのため、数が多いのですが、中古相場では「ボトム付近にABランク未満個体が多い」という特徴がありました。
オーソドックスという様子を持つモデルは、高級腕時計入門という役目をすることがあるためか、不思議と中古でABランク未満個体がそれなりにあるということがあります。
例えばですが、16610と同じ世代のオメガのムーンウォッチである3570.50もABランク未満個体が昔から多い傾向。その一方で、新品時からそれなりに高かったといえるK18モデルなどでは、ABランク未満個体はめったに見かけません。
去年時点でも16610のボトム付近には、ABランク未満個体が多々あったため、16610のAB以上のボトムは119万円でも、16610全体のボトム価格は110万円程度となっていたのです。
つまり、2023年12月時点ではBCランクといった個体と、ABランク以上の個体との間に10万円ぐらいの差があったといえます。
しかし今、16610の様子は変化。
なんと、ボトム付近に、ABランク未満の個体がないのです。
ですから、記事で紹介しているこの個体は、まさに16610全体のボトム価格であるわけで、それがABランク以上となっている状態なのです。
これまで、16610を取り上げる際には、必ず「ABランク以上のボトム価格」と表記していましたが、筆者は2016年から記事を書いていて、初めてそれを必要としていません。
そしてもう1つ、16610に興味深い点があるのですが、それは、この個体ともう一つ(それも約119万円)を除くと、あとは120万円台後半といえる価格帯になっていることです。
ボトム価格同士の比較では、1年前⇒現在で「ほぼ変わっていない」といえる16610でありますが、3番目以降の個体を見ると、「勢いがある」と感じる部分があるのです。