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現在相場考察

140万円レベルの内容を50万円台で味わう、ブランパンエアコマンド

2017年1月24日更新
ブランパンのエアコマンドについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年12月の安値(ヤフオク)と2017年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この7年1ヶ月での変動は¥-2,000だった。

ステンレスブレスレット エアコマンドについての考察(2017年1月)

ブレゲとともにスウォッチグループの最高級ブランドに位置するブランパン

歴史も古く、時計の品質にも定評あるブランドであり、特にそのブレスレットの品質はとても良いとされています。

しかし、三雲ブランドと呼ばれるわけでもなく、ブレゲほど有名でもないため、一部のマニアックな時計ファン以外には知名度の乏しいブランドであることは否めません。

時計ファンとしては、その誰にも分かられないことこそ“良さ”なのであり、さらには知名度が乏しい=需要が低いため、内容の割に安く買える時計としてありがたい存在です。

そのブランパンの中でも、最も人気なのがこのエアコマンドの2000年代前半モデルです。

この時計、140万円以上という定価の通り、実はかなりの高級品。同じ時期のノーチラスアクアノートの定価が130万円台だったことを考慮すると、かなり高い時計であることがわかると思います。

とはいえ主要時計店における実勢価格のほうは約65万円ほどだったため、当時85万円程度だったアクアノートより20万円ほど安く販売されていました。

しかしその後、アクアノート5065/1A)やノーチラス(3800)は当時の新品実勢価格はおろか、定価を遥かに上回る相場にまで上昇。特にノーチラス200万円以上出さないと購入することができません。

一方、このエアコマンド50万円台で購入可能です。

しかも、2009年と比較してほぼ相場が変わっていないのです。

ブランパン(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年12月
の安値(ヤフオク)
2017年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ブランパン
ステンレスブレスレット
エアコマンド
中古 7年
1ヶ月
¥530,000 ¥528,000 -2,000 99.62%

2009年はアクアノートノーチラスも今よりだいぶ安い相場だったため、110万円以下ノーチラス(3800)が購入可能でした。

そして、前途の通りノーチラスはそこから100万円レベルの値上がりをしたため、より一層高価な時計へと変貌。2009年の購入対象としてはノーチラスが大正解で、その頃買っていれば今頃脅威の値上がり体験となっています。

ノーチラスがこれだけの値上がりを果たした今、2009年と全く相場が変わっていないこのエアコマンドという時計がとても魅力的に映ります。

この時計、仕上げの美しさだって内容だって定価140万円レベルに見合ったモノです。

ましてこれだけ仕上げの良い時計というキャラクターで200m防水

デイトナですら100m防水ですし、ほぼ全てのラインナップを300m防水としているパネライのクロノ(PAM00072)だって200m防水とこの時計と同じレベルです。

さらには、このフレデリックピゲ製のクロノグラフ、なんとフライバック機能を搭載。

パネライクロノの場合、フライバック機能を有するPAM00060は100万円以上の相場であり、PAM00072の倍ぐらい値段が高いということもあります。

よって、品質が良く、魅力的で、機能も性能も申し分の無いこのエアコマンド

定価140万円台というクラスの腕時計を50万円台で購入できるということに限らず、2009年と相場が変わっていないというかなりのお買得時計です。

ちなみに、2016年の夏前までに何度か50万円を下回る価格で売られたことがありましたが、最近は55万円程度がこの時計の相場。

しかし、それでも比較的早く売れてしまうため、最近密かな人気が出ているのではないかと思います。

ブランパンという腕時計は、どちらかと言うと百貨店で買われることが多いキャラクター。それも店頭ではなく、外商の担当者が自宅に持ってきてくれて勧められて買うというのが多かったと思います。

エアコマンドが実際どのように販売されたかは謎ですが、正規店で買われるケースは他のブランドより高い傾向にあったのは間違いないでしょう。

つまりこの時計、どの角度から見ても140万円レベルの時計を50万円台で味わうことができるという面白さがあります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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