1997年に登場したキリウムは腕時計の世界では新しいほうですが、既に生産終了となってから長い年月が経ちます。
2008年頃には既にハードオフなどで5万円以下で売っており、安いモデルという印象になっていたこの時計。
このデザインは97年という時代を象徴するものであり、“世紀末”とか“インターネット”という当時のキーワードはまさに「未来」を感じさせるものであったため、いかにこの近未来的なデザインが97年的であるかが分かります。
しかしこのキリウム、近未来的なデザインといっても登場から今年で20年。同じ頃、1964年の復刻モデルとして登場したカレラは当時から30年前のモデルにあたるのですが、その頃の既にかなりクラシックに見えていました。
97年時点での30年前と比べると2017年時点での20年前は、時計のデザインもテクノロジーの進歩も進み方が遅いように感じます。
もしもこの時計が80年代にデザインされた近未来的なものだったとしたならば、きっと古さを感じずにはいられないでしょう。しかし、97年にデザインされた近未来感は、今でも全く同じように新しく感じます。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年2月 の安値(ヤフオク) |
2017年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
キリウム クロノグラフ CL1111 |
中古 | 4年 0ヶ月 |
¥56,700 | ¥57,780 | 1,080 | 101.90% |
キリウムがデビューしてから20年後の2017年にまで、これと似たようなデザインの高級腕時計は意外にも登場していません。
というよりも、この手のデザインは高級腕時計というよりも、安価で売られているカジュアルなモデルに採用される傾向があり、高級腕時計以外ではなんとなく見たことあるデザインかもしれません。
しかし、その高級腕時計としてはあまり無いデザインをあえて楽しむというのがこのキリウムの良さだと思うのです。
もしもこれが10万円以上という価格帯であるならば、気軽に楽しむというわけにもいかないでしょう。しかし、5万円前後という今の価格は、コレクションの1つとして面白いと思います。
1997年にデビューした際、キリウムには3つのラインナップがありました。
- クオーツ
- 自動巻
- クロノグラフ
自動巻はクロノメーター仕様の本格的なものでしたが、当初クロノグラフはクオーツしかありませんでした(1999年に自動巻クロノグラフが追加)。
キリウムにはタグホイヤーのロゴがカラーのモノとモノトーンのモノがあるのですが、両者の違いは年式の差ではありません。クオーツがカラーロゴ、自動巻とクロノグラフがモノトーンのロゴとなっています。
ちなみに、クオーツがカラーロゴ、機械式がモノトーンロゴというのはキリウムに限らず当時のタグホイヤー全部のモデルに共通すること。
このキリウムのクロノグラフ、外装だけでなくて文字盤のデザインも独特で良いと思います。
クロノグラフモデルであるにもかかわらず、デザイン優先で目盛りが省略されていたり、発光塗料の配置なども独特でかなり魅力的。
ということで、今衝動買いのようにポーンと買うならば、買って良い1本だと感じます。