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現在相場考察

隠れた人気モデル、コルム『バブル』ジョーカー

2017年2月25日更新
コルムのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2010年3月の安値(楽天)と2017年2月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この6年11ヶ月での変動は¥50,640だった。

バブル ジョーカーについての考察(2017年2月)

変わり種カジュアル高級腕時計として、2000年代に注目されたコルムのバブル

当時の新品実勢価格は25万円前後という水準であり、“高級なカジュアルウォッチ”という印象。

同じ頃、オメガの新品は10万円台が主なラインナップだったため、気軽に買う遊び時計というくくりの中では高級という印象でした。

つまり、25万円という価格自体は飛び抜けて高級というわけではないのですが、高級なにおいのする存在。

車で例えるならば、ベンツのSLKクラスなどがピッタリだと思います。

そんなコルムのバブル、2002年にパネライが流行った時期に、当時の水準としてはかなり高くなってしまったパネライの穴を埋めるような役割もありました。

実際、2001年の春頃までパネライのルミノールベースは新品が25万円程度だったため、同じような価格だったバブルは、キャラクター的にもパネライ枠としてピッタリだったのです。

パネライはブームになるまで44mmという特殊なサイズや、独特のアラビア数字のデザインにより、“変わり種時計”という存在でした。しかし、ブームになって以降は市民権を得たため、変わり種という枠からは脱します。

そんなバブル、一時はパネライのように人気になるのでは、とまで言われた存在。

実際、このジョーカーのように特徴ある限定モデルを出していたコルムは、「カジノ・ロワイヤル」というフランクミュラーのベガス的なモデルも販売。

よって、パネライ的であるだけでなく、同じ頃爆発的な人気を得ていたフランクミュラーの要素も取り込むことで、コルムのバブルは注目されていたのです。

しかし、バブルにおける注目は一時的なもので終わってしまいました

近頃におけるコルムのバブルシリーズの位置づけは『懐かしいマニアックなモデル』という感じ。

爆発的な値上がりはすることがないものの、このキャラクターと存在感により、2014年頃からは値上がり傾向です。

コルム(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2010年3月
の安値(楽天)
2017年2月
の安値(楽天)
変動額 残価率
コルム
バブル
ジョーカー
中古 6年
11ヶ月
¥228,000 ¥278,640 50,640 122.21%

2010年と現在では5万円程度値上がりしているこのジョーカー。

バブルの良さと、777本限定というレア感、そしてこの独特な文字盤を備えたモデルの存在感は抜群です。

実は2015年には今より高い水準で、約32万円という相場だったこのバブル。

2015年の相場と2010年では約10万円も値上がり状態だったのです。

このモデル非常に凝っているので、革ベルトもラバーコーティングが施された特殊なもの

よって、純正のベルトが装着されているというのがこのモデルの個性の1つとして重要ですので、他社製革ベルトは付けたくないところです。

革ベルトは劣化しやすいため、純正装着率が低いかと思いきや、意外にも純正が多いこのバブル。

おそらく、“遊び時計”というポジションで、使用頻度が低い個体が多いのでしょう。

同じ、ラバーベルトでもブルガリアルミニウムのように使用頻度が高めなモデルと異なり、やはりバブルはよりマニアックな存在。

よって、時計を大切にするファンに愛されたのがこのバブルの1つの個性ともいえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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