三雲時計といえば、ステンレスモデルは基本的に作らないというイメージであり、ラインナップするステンレスモデルも1つか2つのスポーツモデルに限られるという傾向があります。
そして、そのラインナップの少なさが、逆に目立つ要素となり、パテックフィリップといえばアクアノート・ノーチラス、オーデマピゲといえばロイヤルオーク、ヴァシュロンコンスタンタンといえばオーバーシーズという印象があります。
しかし、実はヴァシュロンコンスタンタンにはもう1つのステンレスモデルが存在。
それがこの「ロイヤルイーグル」というモデルです。
トノーケースに4連ブレスレットという内容と文字盤デザインがフランクミュラーを彷彿とさせますが、このモデルが出た当時、業界ではフランクミュラーが注目されていたため、ヴァシュロンコンスタンタンによるフランクミュラー対策のモデルと言ってもよいかもしれません。
実際、このロイヤルイーグルがデビューしたのは2001年ですが、2001年の夏頃には日本でもフランクミュラーが注目されつつありました。
オーバーシーズと同じく、ビッグデイトを備えるクロノグラフムーブメントは、フレデリックピゲ製。
そして、現在相場はデビュー時の2001年に現行モデルだった初代オーバーシーズと同じ水準です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年1月 の安値(楽天) |
2017年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン
ロイヤルイーグル ブレスレット 銀文字盤 |
中古 | 8年 2ヶ月 |
¥743,400 | ¥950,400 | 207,000 | 127.85% |
この時計、ブレスレットモデルと革ベルトモデルが存在するのですが、両者の価格差は2009年でも今でも10万円程度といったところ。
アクアノートなど他の三雲ステンレスモデルの場合、その価格差はもっと大きい傾向があるため、ストラップによる価格差が少ないというのは興味深い点です。
このロイヤルイーグルというモデルは、キャラクターとしてはフォーマルモデルに分類できますが、三雲ブランドであるがゆえにステンレス製というのはスポーツモデルに該当する要素でもあります。
同じ時期のオーバーシーズのステンレスクロノには革ベルトモデルが無いという点から、やはりこのロイヤルイーグルはフォーマル系に分類されるモデルなのでしょう。
通常、スポーツ系とフォーマル系では、スポーツ系のほうが高くなる傾向がありますが、フォーマル系のロイヤルイーグルが、スポーツ系である初代オーバーシーズと同じ相場というのが気になる点です。
三雲時計のフォーマル系ステンレスクロノグラフ、というとキャラクターが曖昧な印象もありますが、2009年と比較して値上がり傾向です。
とはいえ、個体によってはオーバーシーズが値上がり状態の時期でもロイヤルイーグルは安く販売される傾向があるため、相場を見極めるのは難易度が高い時計です。