チュードルのクロノタイムは非常に人気のある魅力的な時計なのですが、細かい仕様違いを把握するのが難しいという難点が存在します。
その仕様違いは、文字盤色の差からリューズなどパーツ1点にも及び、最も全体像を掴みづらい時計といえるのではないでしょうか。
例えば、ロレックスの場合、5桁デイトナのように細かい仕様違いがあったとしても、その全体像を把握するのは容易であり、さらにその違いが「面白さ」を生み出します。
その結果、4段文字盤など特定の年式にだけ存在する仕様違いが高値の原因となったりするのです。
チュードルにもそれは当てはまる場合もあるのですが、高値となっているモノはロレックスのパーツが使われている年式、というように分かりやすい差があるモノが高い傾向です。
では、それ以外の年式が値上がりしていないのかというと、そんなこともなくこの79260Pのように17万円以上の値上がりというモノも存在します。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年7月 の安値(ヤフオク) |
2017年1月 の安値(ヤフオク) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
チュードル
クロノタイム 79260P |
中古 | 4年 6ヶ月 |
¥127,050 | ¥298,000 | 170,950 | 234.55% |
この79260Pという型番の「P」ですが、これはケースのラグ部分がポリッシュ仕上げになったを示すモノ。
ロレックスの14000Mの「M」はムーブメントに由来しますから、勘違いしやす点だと思います。
3連ブレスモデルのほうが人気な模様で基本30万円以上という傾向です。
そうかと思いきや、20万円台で買える3連ブレスレットモデルも存在し、この79260Pより安い個体も存在。
それら安い3連ブレスレットモデルに共通するのは「タイガー」という存在。
ペットネームが付いた場合、人気要素かと思いきや、このクロノタイムに関しては不人気要素なのです。
おそらくその理由は、「タイガー」がタイガーウッズに由来しているからでしょう。タイガーとはいえ、実在する個人に由来するペットネームは不人気傾向です。
次に安いクロノタイムの特徴として、黄色や青など派手な色の文字盤が挙げられます。
2004年頃、メキシコロレックスでオーバーホール履歴のある赤い文字盤のデイトナポールニューマンがものすごいインパクトを与えましたが、このクロノタイムのように通常モデルの場合、派手な色の文字盤は不人気要素となる模様です。
ですからこのクロノタイムは、
- タイガー無し
- 銀文字盤
という良い要素がある一方、
- 5連ブレスレット
- リューズなどにロレックスパーツが使われていない
という不人気要素があるため、今の水準でも20万円台で買うことができるのです。
このモデル、2012年には10万円台前半で売られていたため、そこから17万円というかなりの値上がりとなっています。
しかし、今の値段でも「買っても良い」と感じさせる時計だと思います。
文字盤やベゼルが与える全体的な印象はもっと高値のクロノタイムに近く、それでいて他の不人気要素によって安いめというのは狙い目のような気もします。