角型のロレックスというかなり珍しい存在のチェリーニプリンス。
佇まいはカルティエの高級ライン、タンクアビスに似ていますが、GMT機能はありません。
デザインの印象から、下の部分は第二次国を示すのかと思いきや、実はスモールセコンド。
通常のスモールセコンドは、“スモール”と付くように文字盤全体に対して小さめですが、このモデルの場合、横幅が時分針エリアと同じためスモールセコンドという印象を薄れさせています。
このチェリーニプリンスですが、角型ロレックスというレアさだけでなく、もう一つロレックスとして珍しい特徴が存在。
それは、純正で裏スケという点です。
豪華な見た目であったり、裏スケの採用であったりと、通常のチェリーニに対して高級な位置づけとなっている“プリンス”。
デビューしたのは2000年代中盤ですが、その頃よりデイデイトとは異なるもう一つの高いロレックスという印象があります。
実際、2009年というロレックスが全体的に安かった時期においても、中古で70万円程度という相場。
その頃70万円という水準のロレックスというとデイトナぐらいしかありません。
コンビやステンレスモデルだと、その頃デイトナ以外に70万円という水準に達していたモデルは無く、金無垢のデイデイトですら70万円以下で買えた、というのが2009年です。
そして、その頃高価格帯だった高級モデルは、いずれも30万円以上という水準の値上がり。
金無垢モデルのように高級であれば高級なほどその値上がり額は高い傾向で、かつて60万円台で買えたデイデイトは今では100万円以上が当たり前だったりします。
そのため、このチェリーニプリンスも「高級なロレックス」としてかなりの値上がりが期待できるはず。
かと思いきや、なんとこの時計、2009年と相場が変わっていないのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年7月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
チェリーニ プリンス 5443/9 |
中古 | 7年 9ヶ月 |
¥704,001 | ¥700,000 | -4,001 | 99.43% |
ロレックスにはオイスターとチェリーニという2つの大きなカテゴリがありますが、多くの人はロレックスというとオイスターをイメージします。
そして、世界中で人気なのはオイスターであり、人気が高いスポーツ系からそこまで人気のないフォーマル系まで、今では様々なモデルの相場が上がっていたりします。
しかし、チェリーニに関してはオイスターと全く常識が違うのです。
人気が出ると当たり前のようにプレミア価格なるオイスターとは違い、チェリーニはいつの時代もひっそりとした存在。
当然、値上がり額もオイスターと比べてかなり弱めです。
そんなチェリーニに対して、2000年代頃、ロレックスはテコ入れを開始しました。
そして、新しいチェリーニとして登場したのがこのプリンスだったりチェリニウムだったりします。
ただ、チェリニウムのプラチナモデルの場合、2009年と2016年の比較では6万円程度の値上がり。
にも関わらず、
- 角型
- 裏スケ
というロレックスとしては特別な要素を持っているこのプリンスの相場は変わっていないのです。