ブルガリブルガリといえば、ジェラルドジェンタ氏がデザインした名作として、パテックフィリップノーチラス、オーデマピゲロイヤルオークなどと共に有名です。
ジェンタ氏がブルガリブルガリをデザインしたのは1970年代のことですが、それから長らくブルガリブルガリは形を変えずにラインナップされ続けました。
しかし、現在ではケースの形状も文字盤のデザインも変わり、ジェンタ氏によるデザイン遺産は、この時計の象徴であるベゼル部分の「BVLGARI・BVLGARI」という部分にしか残されていないように感じます。
そしてこの2000年にデビューしたクロノグラフこそ、一番最初に基本形を買えたブルガリブルガリとしてデビューしたモデルです。
このクロノグラフが伝統的なブルガリブルガリと何が一番違うかというと、それはケースサイズです。
90年代後半まで、メンズサイズでも33mmと小ぶりだったブルガリブルガリ。
その頃、ブルガリのメンズサイズは全体的に小さく、スポーツモデルの「スポーツクロノ」で35mm、最も大きな「スクーバ」でも38mmというサイズです。
そして、このブルガリブルガリクロノグラフは38mmもあるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブルガリ
ブルガリブルガリ クロノグラフ BB38SLCH |
中古 | 7年 5ヶ月 |
¥180,000 | ¥158,000 | -22,000 | 87.78% |
このクロノグラフの誕生をきっかけに、ブルガリブルガリは3針モデルにも38mmが登場。
そしてその後、ブルガリブルガリは新しくなり、ジェンタ氏がデザインしたものと遠い存在へなっていったのです。
ブルガリブルガリクロノグラフでよく見かけるのはブレスレットモデルですが、2000年に出たこのモデルには革ベルト仕様も存在。
その革ベルトは、33mmモデルと同じ素材です。
また、ケースは38mmに拡大されたといっても33mmのデザインを踏襲しています。
そのため、この革ベルトモデルは、近代的な要素と伝統的な要素の2つが合わさっています。
これまでケースサイズについて述べてきましたが、この時計こそ、ブルガリブルガリとして初のクロノグラフ。
この時計が出るまで、ブルガリはフォーマルタイプの時計とスポーツタイプの時計について明白な区別を設けていました。
そのため、クロノグラフが採用されるのはスポーツタイプのみ。
しかし、このブルガリブルガリクロノグラフの誕生より、フォーマルとスポーツの区別はなくなります。
さらに、“スポーツ”が「ディアゴノ」という名称に変わったりしたため、この頃よりブルガリ腕時計の全体像は把握するのが困難なものとなってしまいました。
かつては、ロレックスと新品実勢価格が同じで、立派なライバルとして迷われる存在だったブルガリ。
そんなブルガリは今では、2009年という安い時期と比べても値下がり傾向という評価なのです。