2016年の夏頃において、数多くのロレックス人気モデルが値下がり傾向となりました。
それらロレックスは2016年12月頃より相場が回復傾向となり、今ではかなりの値上がりを果たしたモデルも存在します。
その筆頭こそ、デイトナ16520であり、2016年夏頃と比べて40万円程度の値上がりという状態。
デイトナは元祖プレミア価格かつ、プレミア価格状態の年月、そしてその“定価プラスアルファ指数”の高さゆえに「腕時計の王様」と呼ばれる時計。
一方パテックフィリップノーチラスは、今でこそデイトナに引けをとらない人気度&憧れられる存在感、という時計ですが、16520が現行だった2000年頃においては新品実勢価格が定価を大きく下回る不人気な時計。
当時、パテックフィリップを買うという行為には、ある種の流儀のようなものがあり、それは「ノーチラスを保つ場合、最低でもカラトラバを持っていなければならない」というような考えでした。
これは、日本における正規代理店の人が口にしていた事実であり、ノーチラスだけを持つという行為は邪道であるとされたのです。
しかし、そんなノーチラスは2005年頃より人気モデルとなり、いまではパテックフィリップ=ノーチラスというぐらい強い存在感を放つモデルです。
それほど人気モデルとなったノーチラスは2016年の時点では、既に2000年頃における新品実勢価格の倍程度という中古相場となっており、かなりの値上がりを果たしていた時計です。
そして、そこから今にかけてさらに50万円以上高くなっているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 青文字盤 3800/1 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥1,782,000 | ¥2,331,000 | 549,000 | 130.81% |
1年未満という短期間で40万円程度の値上がりをした16520に対して、ノーチラスは50万円以上という水準。
かつて16520が現行だった時代、見向きもされなかったノーチラスは今となってはデイトナ以上に存在感のあるモノとなったのです。
さて、今回の記事の3800/1というモデルですが、これは33mm程度のミディアムと呼ばれるサイズで、1982年から2005年頃まで長期に渡って製造されたモデル。
ミディアムといっても1997年頃に登場したパワーリザーブ3710/1Aが登場するまで、このサイズのみの展開となっていたため、ロレックスのボーイズサイズとは意味合いが異なります。
それは同時期にミディアムとラージが展開されたアクアノートにも言えることで、パテックフィリップにおける33mm程度のミディアムはメンズサイズ扱いです。
3800/1は90年代にマイナーチェンジされ、パテックフィリップ自体のリファレンスも小変更されたことにより3800/1Aとなります。
その際、デイト表示のフォントが今と同じく太めのゴシック体となりました。
それ以前はこの記事の個体のように明朝体で、それよりもっと古いものは色が反転して黒背景に白文字という仕様です。
以前は90年代に登場したゴシック体の個体以前のモデルは“古め”とされ若干安い傾向でしたが、最近はあまり相場に影響を及ぼさない模様。
今においては年式より文字盤色のほうが重要で、この伝統的なエンボス青文字盤の相場が最も高い傾向です。