かつてはスポーツロレックスの中で最も不人気かつ安値という存在だったGMTマスターですが、2007年にステンレスが6桁リファレンスにモデルチェンジした際より高値となりました。
そして、今の相場においてこのGMTマスターは5桁リファレンスステンレスモデルの中で、デイトナを除くと最も高い価格帯に位置しているのです。
また、ヨットマスターロレジウムをステンレスモデルだと判断した場合でも、その相場はロレジウムより高く、デイトナ16520の次に高い5桁ステンレススポーツであることに違いはありません。
一方、6桁リファレンス時代となるとGMTマスター2はサブマリーナより安く、116710LNと116610LNの比較では116710LNのほうが安い傾向です。
なお、GMTマスターには『GMTマスター』と『GMTマスター2』がありますが、『GMTマスター』は5桁時代の99年に生産終了。それ以降は『GMTマスター2』のみの販売となっています。
『GMTマスター』は1950年代に出た6542が初代モデルで、その青赤ベゼルとともにキャラクターがはっきりした歴史あるモデル。
しかし、その歴史あるモデルの最終型である16700が特にGMTマスターシリーズの中で高値となっていないのは、『GMTマスター』と『GMTマスター2』の見た目が殆ど変わらず、両者は“同じ”存在として扱われているからでしょう。
そのため、この現在の中古相場では16700(GMTマスター)、16710(GMTマスター2)もほぼ同じ水準です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年3月 の安値(楽天) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター 青赤ベゼル (N番) 16700 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥615,000 | ¥699,840 | 84,840 | 113.80% |
このGMTマスター、現行当時は30万円台前半という新品実勢価格でしたから、現在相場は“新品で買っても倍以上値上がり”という状態です。
また、凄いのは一度高くなったと思っても、そこから更に値上がりしている点。
2016年3月の相場は61万円程度で、その時既に「高い」という印象があったにもかかわらず、その1年後には約8万円も値上がりしています。
ちなみにこの記事の個体はN番という年式なのですが、これはシングルロック、トリチウム仕様という前期モデルです。
これは2007年頃まで、最も人気の無いスポーツロレックスの条件だったため、かつてはかなり安く売られていてもあまり見向きもされない存在でした。
しかし、そんな超不人気モデルが今となっては1年単位で8万円以上の値上がりをする強いモデルへと変化しているのです。
かつて不人気だったデイトナやミルガウスがプレミア価格になったということは、90年代後半から知られていることですが、このGMTマスターの値動きもデイトナやミルガウスに共通する現象だと思います。