インヂュニアといえば、ジェラルドジェンタ氏がデザインした腕時計という印象が強いですが、ジェンタ氏がデザインしたのは1970年代にデビューした2代目モデルです。
現行モデルは2005年にデビューした3代目なのですが、その見た目にはジェンタ氏によるデザインの面影はほぼありません。
他のブランドだと、同一シリーズのモデルチェンジは元の形を踏襲する傾向がありますが、このインヂュニアの場合、2代目モデルの段階で大きく形が変わったため、3代目においても大きく形が変わったのだと思われます。
しかし、ジェンタ氏がデザインした2代目の人気が強いことから、ベゼル以外にももう少し2代目の面影を残してもよかったとも感じます。
とはいえ、インヂュニアという時計の人気度は決して低くはなく、ロレックスのように使えるロレックス以外の選択肢として重宝される存在です。
オメガよりも高級かつ、オメガのように真面目な時計ブランドという印象のあるIWC。
そのステンレスブレスレットモデルとしてインデュニアは、「磁気に強い」というコンセプトを無視しても、分かりやすいポジションだと思います。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年12月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
IWC
インヂュニア IW322701 |
中古 | 6年 5ヶ月 |
¥391,000 | ¥340,000 | -51,000 | 86.96% |
このインヂュニア、2010年頃の相場は39万円という水準で、ロレックスのサブマリーナより高い相場でした。
しかし今では50万円台まで値上がりしたサブマリーナに対して、値上がりしないどころか値下がり傾向であるインヂュニア。
現在の34万円という価格では、スポーツロレックスを買うことはできません。
インヂュニアは、そのキャラクターから需要がありそうな時計ですが、なぜ値下がり傾向なのでしょうか。
おそらくその理由はIWCというブランドの立ち位置が分かりづらいということに由来するでしょう。
かつて、ステンレスモデルに関してロレックスよりも高級というイメージもあったIWCですが、ブレゲに匹敵するほど高級というイメージもなく、特別豪華なフラッグシップモデルがあるという印象もありません。
ましてマニュファクチュールというわけでもなく、同じくリシュモングループのジャガールクルトなどと比べた場合、その存在感はかなり弱まります。
そして、IWCとして作る時計のキャラクターもモデルチェンジによって方向性が変わるなど一貫性もありません。
そのため、どんなブランドなのか理解されづらい傾向にあるのです。
それが各モデルの人気にも影響し、値下がり傾向となるのでしょう。
そのため、現在の相場においてロレックスのように使える選択肢として、かなり穴場的存在だと感じます。