パシャといえばカルティエを代表するモデルでしたが、既に生産終了状態となっています。
パシャには1985年より存在するパシャ38mm、1995年に追加されたカジュアルなパシャC、2000年代に女性用として販売されたミスパシャが存在。それと金無垢のみの展開となっている豪華女性用の32mmがあります。
パシャ38mmは最近、中古が20万円台でも売っていることから「高級」というイメージはありません。
しかし、実際はパシャ32mmとともに高価格帯モデルとして売られた時計であり、定価もかつての実勢価格も高い水準でした。
クロノグラフのベースムーブメントはフレデリックピゲの1185であることは有名ですが、GMTを含む3針モデルのムーブメントも実は高級です。
3針のベースムーブメントはジラールペルゴ製。ジラールペルゴというとフレデリックピゲ並に高級という印象になりませんが、実はこの構成こそ高級であるといえるのです。
というのも、3針=ジラールペルゴ、クロノグラフ=フレデリックピゲという構成は、同じ時期に販売されていたオーバーシーズと全く同じだからです。
つまり、この構成は雲上ブランドのスポーツモデルに対しても、定価が100万円以上のパシャ38mmという条件においても成り立つというわけです。
最近、裏スケのクロノグラフが人気な様子ですが、それ以前のクロノグラフはクオーツだったり、年式によって細かいモデルチェンジがなされている傾向です。
通常、このように短いスパンでのモデルチェンジを繰り返すシリーズの場合、注目されるきっかけが無く不人気となる傾向ですが、パシャ38mmの場合は人気がある状況。
評価されているパシャ38mmは、90年代後半から2000年代前半にラインナップされたモデルなのですが、その頃のパシャ38mmのラインナップは3針、3針グリッド、GMT、クロノグラフという分かりやすい展開となっていました。(各モデルブレスレットもしくは革ベルト仕様が存在)
この年代のモデルは現行だった頃、ロレックスブームと重なり、ロレックスとともに注目されたという経緯があるのですが、時計自体の魅力もとてもあるモデルです。
高級モデルとして発売されたため、文字盤はきれいなギョーシェ彫り仕様。裏スケ仕様から眺めることができるムーブメントは加工が施された見応えのあるものであったりと、かなりツボな要素が多いモデルです。
それらパシャ38mmは当初、白文字盤のみの展開となっていたのですが、2002年に黒文字盤が追加。
このシリーズには「N950」というサブネームがつけられ、「もう一つのパシャ38mm」というような印象となっています。
この「N950」は、
という内容。
3針グリッド、GMT、クロノグラフという3モデルがラインナップされていますが、どのモデルもステンレスブレスレットの白文字盤と比べてN950のほうが高い傾向です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年12月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm N950 GMT W3105055 |
中古 | 6年 5ヶ月 |
¥368,000 | ¥299,160 | -68,840 | 81.29% |
ステンレスやコンビに用意される文字盤とは異なり、N950はアプライド仕様。
パシャ38mmは金無垢モデル以上でアプライド仕様となっていたため、このプラチナベゼルの黒文字盤がアプライドとなるのは金無垢モデル並に高級であることを示しています。
プラチナベゼルモデルというとヨットマスターロレジウムというイメージがありますが、99年に出たロレジウムから影響されこのパシャN950が誕生したと言えるでしょう。
ロレジウムといえば、当時においては青サブより高いスポーツロレックスであり、そのイメージは手を出しやすい最高級といった感じです。
そのため、このN950もデビュー当時はかなり注目され、かなり人気が高かったように思います。
そして相場は高めの水準をキープし続けていましたが、今は値下がり傾向。
パシャ38mmは全体的に値下がり傾向ですが、すぐに売れてしまう時計という側面もあります。
つまり、値下がり傾向でも、実際には需要がある時計なのです。
ですから、人気のある腕時計を安く買えるという意味で、パシャ38mmはかなり魅力的な1本。
ましてGMTの場合、パワリザ+独立GMT針という内容でありながら、30万円を切る価格で買えるというのはかなりお買い得といって良いでしょう。