有名オークション会場でとても高い値がつくようなヴィンテージモデルにはステンレスのコンプリケーションが存在するかもしれませんが、店頭で売られている近代的なパテックとしては「元祖ステンレスコンプリケーション」である5085/1A。

デビューしたのは90年代で、第一次時計ブームの際に現行だったモデルです。

左右非対称のスモセコ、ムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーターという配置は、今となってはノーチラスの印象が強く、そのノーチラスこそステンレスの代表的モデルです。

従来、パテックフィリップのようなブランドにおいてステンレスの時計はかなり少数派であり、その数の少なさゆえに逆にステンレスが高値になるということもあります。

本来ステンレスの時計は、三雲ブランドやピアジェにおいては“邪道”というよな存在でしたが、時代の変化によって今ではステンレスの高級腕時計は市民権を得たといって良いでしょう。

そのため、今において「ステンレスのコンプリケーション」という存在は、かつて程の希少価値がないように感じますが、依然として数は少ない傾向です。

パテックフィリップの場合、ノーチラスのコンプリケーションモデルの数々や、アクアノートのトラベルタイムという印象から、ステンレスのコンプリケーションのラインナップは多いような気がします。

しかし、数が増えたのは最近のことで、2005年以前に関しては5085/1Aしか選択肢が無かったのです。

そのような希少性が一定の評価を得ているのか、5085/1Aはきちんと値上がりしています。

ただ、5085/1Aには若干の変化が見られます。

それは、以前と比べてかなり数が減っているという点。

最近は売っている個体が無い時期も多く、“欲しくても買えない”というタイミングが多々あります。

（現在参考の腕時計がありません）

本記事の価格比較

現在相場は200万円をまだ切っている状況ですが、今のように“売られている個体が少ない”という状況が続けば、次回登場した際はもう少し高くなっていても不思議ではありません。

5085/1Aは一見するとあまり希少性が感じられませんが、先のようにかなり稀有な“ステンレスのコンプリケーション”という存在。

ちなみに、5連ブレスレットは好みの分かれるところで、実際同じようなデザインブレスレットであるネプチューンはあまり評価されていない傾向です。しかし、それ以外に不人気となりそうな要素は無く、これまでも金無垢の5055より少し安い額で売られているように、一定の評価は得ている状況です。