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現在相場考察

60万円台で買える金無垢ジュネーブシール、ロジェデュブイマッチモアM28

2017年7月31日更新
ロジェデュブイのマッチモアについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2008年10月の安値(ヤフオク)と2017年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この8年9ヶ月での変動は¥-70,100だった。

マッチモア M28についての考察(2017年7月)

2002年にフランクミュラーがポストロレックスとして大ブームとなりましたが、その翌年頃よりフランクミュラーの次」を求める人にとってたまらない存在だったのがロジェデュブイです。

フランクミュラーといえばトノー型というイメージに対して、レクタンギュラーという印象を抱かせることに成功していたロジェデュブイ

フランクミュラーにもレクタンギュラーのモデルがあり、それは現在このロジェデュブイより遥かに知名度があると思われるロングアイランドという有名モデル。

しかし、ロングアイランドという強い存在があるのにもかかわらず、なぜ「レクタンギュラーといえばロジェデュブイ」となったのでしょうか。

それは出た時期がマッチモアのほうが先だからです。

ロングアイランドが登場したのが2000年であるのに対し、マッチモアの登場は1998年。

ただ、ロジェデュブイにとっては先にフランクミュラーが流行ってくれた、という状況は良かった出来事かもしれません。

というのも先のように、このマッチモアはフランクミュラーの次に買う存在というイメージでした。

ロジェデュブイの要素はてんこ盛りな内容のため、フランクミュラーという基準が先にあったことで、理解可能なブランドとなれたのだと感じます。

フランクミュラーと同じようなインパクトながら、ムーブメントは自社製かつジュネーブシール取得という内容。

なおかつ、ロジェデュブイ氏がかつてパテックフィリップに在籍していたという点も強い要素。これはパネライにおけるロレックスエッセンスのように、パテックフィリップのエッセンスとなって、ロジェデュブイに強い要素を与えます。

また、ロジェデュブイの各モデルは28本限定であり、この年間生産本数上限の設定というブランディングはまさにパネライと同様。

そのため、

  • フランクミュラー的な見た目
  • パテックフィリップのエッセンス
  • パネライ的なブランディング
  • という強い要素が揃っており、まさしくポストフランクミュラーとしてふさわしい存在だったのです。

    しかし、その後ロジェデュブイは大きく注目されること無く、それは今でも変わりません。

    また、比較されたフランクミュラーが現在値下がり状態であるのと同様、このロジェデュブイも値下がり傾向です。

    そして驚くべきは、マッチモアはフランクミュラーロングアイランドよりも遥かに安いという点です。

    ロジェデュブイ(現在参考の腕時計がありません)

    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2008年10月
    の安値(ヤフオク)
    2017年7月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    ロジェデュブイ
    マッチモア
    M28
    中古 8年
    9ヶ月
    ¥680,000 ¥609,900 -70,100 89.69%

    マッチモアは、

  • 自社ムーブメント
  • ジュネーブシール取得
  • 金無垢
  • という内容ですが、同じ価格で買うことができるロングアイランドステンレスモデルです。

    ロングアイランドの2針モデルの自動巻ムーブメントはカサブランカ等と同様に、ETAムーブメントをベースとしてプラチナローター仕様としているモノが搭載。

    ムーブメントの価値はマッチモアのほうが遥かに高そうですが、それでもロングアイランドの金無垢モデルはマッチモアの2倍程度という相場です。

    このマッチモア、かつてフランクミュラーの次に買う存在として、フランクミュラーより高く販売されていた存在。それは、この時計がジュネーブシール取得の自社ムーブメントということからも、自然な価格だったと思います。

    しかし今となっては、同じ金無垢のロングアイランドと比べて半額程度で購入可能なのです。

    この時計、ロングアイランドと比較するだけでなく他の時計と比較しても、自社ムーブメント、ジュネーブシール、金無垢という内容で約60万円という価格は「破格」といって良いでしょう。

    ただし、この価格帯で買えるマッチモアは、横28mm縦39mmというサイズでありロングアイランドと比べると小ぶりなサイズ。

    もう一つサイズが大きなマッチモア(横30mm縦50mm)は80万円以上という相場ですが、それでもロングアイランドより安いことに変わりはありません。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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