コンステレーションには様々なモデルがありますが、その大半のラインナップはクオーツという印象。
最近のモデルだとコーアクシャル脱進機仕様の自動巻モデルも存在しますが、中古で売られている数は圧倒的にクオーツが多いように感じます。
そのため、クオーツのコンステレーションは“珍しさ”を感じない存在なのですが、この1552.30は少し違います。
シンプルな見た目ゆえに「何が違うのか」ということは画像を見ただけでは判断しづらいこの時計ですが、じっくり画像を見ると、下段のConstellation表記の下に「PEPATUAL CALLENDER」と書いています。
つまりこのモデル、永久カレンダー機構を搭載したモデルなのです。
永久カレンダーといえば機械式における最高級ということから、クオーツモデルでも比較的「永久カレンダー」ということを売りにした見た目が一般的です。
カルティエのクロノリフレクスのように文字盤上のインダイヤルでカレンダーを配置するというデザインが用いられることが多い印象です。
しかし、このコンステレーションは、一見『普通の3針』にしか見えないものの、実は永久カレンダーというモデル。
ですから、小さなデイト表示部分は自動的に30から1に変わりますし、2月28日の次はきちんと3月1日となります。
さらにこの時計、実は「何月」ということも表示することが可能。
竜頭は押し込める仕様となっており、2秒程度竜頭を長押しすると、カレンダー部分が自動的に回転し、その月を示すのです。
例えば、8月8日であれば、竜頭を長押ししてもしばらくなにも起こらず、4年の年次を示すローマ数字(「I」から「IV」)を表示。もしも8月9日であれば、竜頭を長押しすると「9」のデイト表示が「8」へ変化します。
ですからこの時計、一見するとシンプルに見えるものの、実は乙な仕掛けを備えている永久カレンダーモデルであるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年5月 の安値(ヤフオク) |
2017年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
コンステレーション 1552.30 |
中古 | 4年 3ヶ月 |
¥70,350 | ¥73,800 | 3,450 | 104.90% |
この1552.30、2013年の価格も現在価格も差がない状況ですが、クオーツのコンステレーションとしては若干高めという印象です。
これだけレアな仕掛けを持った時計ですから、もう少し評価されても良い気もしますが、既に他のクオーツと比べると高いため、現在価格が適正という気もします。
ただこのムーブメント、メンテナンスには若干難が残るのが気になる点。
スーパークオーツとも呼ばれるこの機械、特殊な動きをする分、壊れる可能性はシンプルなモデルより高く、さらにその制御をする部分が電子回路であるため、トラブルの場合はアッセンブリー交換となるでしょう。
その場合、単に部品交換で済む分工賃は安そうだと思いきや、その部品が最近とても高いのです。
このムーブメント自体は、ETA252.511がベースのOMEGA1680。
ETA製ですから、通常であればメンテナンスがしやすそうなところですが、特殊な機構とその数の少なさから部品の流通が少なく、なおかつ高いのです。
クオーツの時計は、一見メンテナンスフリーにも見えますが、実は機械式よりもトラブルが多い傾向。
というのも、電池交換を怠っていると電池の液漏れが発生し、人の手では修理できない回路部分を痛めるケースが多いのです。
さらにクオーツの時計の電池は2年程度で電池切れとなるため、オーナーとしては意外と「電池交換」という手間に直面します。電池交換は時計店に持っていく必要があるため、なかなか面倒だと感じるところです。
ですからクオーツの時計には、実は機械式より気を使う側面があるのです。
クオーツ腕時計の印象は、「マニアックさ」とはかけ離れています。
しかし、このパーペチュアルカレンダーのようにマニアックな機構と、メンテナンスの難易度が高いという「マニアックさ」を感じさせられるクオーツモデルも存在します。
よってこの時計、一見するとただのクオーツモデルと見えますが、実はかなり上級者向けの時計であるのです。