高級な時代のラジオミールは、2000年代前半において特に珍しいモデルというわけではなく、その実勢価格は新品が80万円台、中古で60万円台というような相場でした。
しかし、2005年頃から高級腕時計が世界全体で流行りはじめ、同時に各ブランドのモデルが世代交代を行ったことから、それ以前に注目されていなかったモデルが高くなるという現象が起こりました。
例えばノーチラスの3800/1Aは、2000年代前半まで新品でも100万円を切っていたのですが、新世代のモデルが登場した2004年頃から徐々に値上がりし、ステンレスモデルの新型5711/1Aが出た2006年には2000年頃の基準よりとても高い状態となっていました。
その頃、ノーチラスと同じように高くなっていったのがこの金無垢のラジオミールPAM00103です。
PAM00103は2006年頃において、既に生産終了されていたということだけでなく、当時ラジオミールというシリーズ事態の方針が変わったこばかりだったことから、旧世代のラジオミールとして珍しい存在となったのです。
そのため、その頃にはレア感が増したため値上がり状態となっていました。
リーマンショック時においても下がることはなく、例えば2010年頃の安い時期でも約80万円という相場をキープ。
ロレックスの場合、リーマンショック後の相場が2000年前半頃の相場を下回るということが珍しくなかったため、2000年頃に比べて20万円ぐらい高い状態をキープしていたPAM00103は値崩れしないという強い存在だったです。
そして、2013年頃から全体的に腕時計が高くなった頃、この金無垢ラジオミールは、「良き時代のパネライ」という評価になりつつあり、2015年には130万円以上という相場まで上昇。
ちなみに、金無垢ラジオミールにはローズゴールドのPAM00103とWGのPAM00062がありますが、この時期にPAM00062の流通が極端に減り、売り出される個体が年に1、2本という状況となっていました。
その状態が2年ほど続いた後、今年2017年に入るとさらに値上がりし、その水準は150万円以上というレベルにまで到達しようとしていたのです。
しかし、ここにきて、金無垢のラジオミールには大きな異変が起こっています。
それは、値下がりです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年4月 の安値(楽天) |
2017年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00103 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥1,498,000 | ¥1,069,200 | -428,800 | 71.38% |
金無垢ラジオミールにおいて起こった異変は、RGのPAM00103が値下がりしたというだけでなく、この2年ほど見かけなかったWGのPAM00062が複数売り出されているという点も存在します。
また、PAM00103の個体数も増えており、その相場は全体的に下がっているという印象。
それと同時に、WGのPAM00062も120万円台という価格帯が多いことから、現在金無垢ラジオミールは値下がり状態だと判断することができます。
ただしこのモデル、
など強い個性を多々備えたモデル。
今の状況は、値下がり状態かつ、売出し数も多いため、あまり「レア感」を感じることができない状況です。
しかし、生産された個数事態は少ないため、今後もまだまだ楽しみなモデルだと感じます。