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現在相場考察

男性用モデルの事情、カリブルドゥカルティエW7100016

2017年9月7日更新
カルティエのW7100016について斉藤由貴生が執筆。本記事では2014年10月の安値(ヤフオク)と2017年9月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年11ヶ月での変動は¥-196,241だった。

カリブルドゥカルティエ W7100016についての考察(2017年9月)

カルティエは腕時計を最初に作ったブランドと言われるほど、腕時計造りにおいて歴史あるブランド。また、サントスタンクパシャなど“歴史とストーリー”を持つモデルが複数あるというように、強い腕時計ブランドです。

実際、2011年度における世界の腕時計売上でカルティエロレックスに次いで2位

第一次腕時計ブームの2000年前後においても、ロレックスオメガカルティエブルガリという選択肢が一般的だったようにとても影響力のあるブランドでした。

しかし、それだけ強いカルティエにも弱みが1つあります。

それは、男性用モデルが弱いという点。

実際、カルティエは何度も男性用に注力したモデルを展開しましたが、その都度“女性に飲み込まれる”ということを体験しています。

1985年に出たパシャも2002年に出たロードスタータンクディヴァンも、デビュー当初は男性用だったのが、後に女性用が追加。特にパシャに関しては、現在女性用の「ミスパシャ」しか展開されておらず、完全に女性用モデルとなってしまったのです。

パシャは当初男性用モデルの38mmがメインであり、女性用は約32mmの金無垢モデルしか存在しませんでした。

1995年にパシャCを出した際は「男女兼用」として出したのですが、その際も女性用化することはなく、一定数の男性ユーザーがいたのです。

けれども、パシャCの女性比率は年々高まっていたようで、2003年頃からパシャC自体の文字盤デザインがより女性向けにシフト。

その結果、パシャシリーズも女性用というイメージが強くなったのですが、打開策として、2005年にはパシャ42mm、2006年にはパシャダイバーが登場。特にパシャ42mmベースムーブメントをジャガールクルトとするなど、男性時計ファンに響く内容となっていました。

しかし、これだけのトライアンドエラーを繰り返しても、結局男性用モデルは強くなれなかったのです。

その結果、カルティエは再度男性用の強いモデルを作り出すべく、自社ムーブメントという要素を織り込んだモデルを開発。

それが、2010年に出たカリブルドゥカルティエです。

カルティエ カリブル カリブルドゥカルティエ W7100016¥450,780〜¥685,000(2024年11月23日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2014年10月
の安値(ヤフオク)
2017年9月
の安値(楽天)
変動額 残価率
カルティエ
カリブルドゥカルティエ
W7100016
中古 2年
11ヶ月
¥624,240 ¥427,999 -196,241 68.56%

カルブルドゥカルティエは、42mmに自社ムーブメントという当時のトレンドを抑えた内容

また、ブレスレットモデルはデビュー翌年の2011年に遅れて追加されたというように、ユーザーにとってニュース性のある仕掛けも存在しました。

そして、カリブルドゥカルティエは男性ユーザーの中で一定の人気を博すことに成功したように思えました。

けれども、中古相場ではあまり評価されていないのです。

現在の相場は2014年と比較してかなり下がったという印象。

ブレスレットモデルが出たのは2011年ですから、2014年といえばまだ「かなり新しい」という時期。

新しいと感じる時期から下がるのは珍しいことではありませんが、ブレスレットタイプのカリブルドゥカルティエ既に生産終了となっていることから、希少性は増しています。

早期の生産終了ロレックスだと人気要素となる点ですが、カルティエの場合は評価されない傾向です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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