カルティエの時計の中で、特別なシリーズとして1998年から展開した「コレクションプリヴェカルティエパリ」。
その長すぎるネーミングのため、CPCPと呼ばれることが多いこのシリーズですが、今では魅力的なモデルを安く購入できるという傾向があります。
第一次腕時計ブームの2000年頃において、カルティエは主な時計店にて当たり前に置かれているというように、オーソドックスな存在。
当時のドンキホーテでは、今より高級腕時計の販売に力を入れており、どの店舗でもロレックス、オメガ、カルティエ、ブルガリを多数取り揃えており、サブマリーナやパシャCなどはよく見かけた存在でした。
しかし、CPCPを目にすることはほぼ無く、取り扱っている店は、パテックフィリップなどを置いているような、品揃えが豊富な店舗に限られた印象です。
実際、当時におけるCPCPの新品実勢価格はパテックフィリップと同水準であったため、上記のような傾向は自然なことだと思います。
CPCPは最高級という点だけでなく、マニアックな時計ファンに響く仕掛けとなっており、凝った仕掛けや美しい機械の仕上げなどに定評のある存在です。
けれども、そのマニアックすぎる内容ゆえに、メジャーな存在になるということにはならなかったようで、登場から10年後の2008年にはシリーズが終了した模様。
CPCPには当初、フレデリックピゲやピアジェなど他社製高級ムーブメントが搭載されることが多かったのですが、2002年に発表されたこの“アギシェ”には自社製ムーブメント「9902MC」が搭載されています。
カルティエの自社製ムーブメントといえば、2010年に発表されたカリブルドゥカルティエの印象が強いですが、実はそれより以前にも自社製ムーブメントが存在していたというのは興味深い点。
そしてこのアギシェは、上の小窓に24時間表記の「時」、1本しかない針は「分」を表示、下の小窓は「日」を表示するという仕掛けがあり、特に24時間で「時」を表記するという点は、他の時計にはあまりない要素です。
「時」「分」「日」というシンプルな内容を特殊な配置にすることにより、特別感を演出することに成功していると同時に、『カルティエらしさ』を表現しているのがとても魅力的に感じます。
そして相場については、2012年と比べて若干の値上がり状態。
ただし、このアギシェは本数が少ないため、過去の価格はホワイトゴールドの事例です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年12月 の安値(ヤフオク)WGの参考価格 |
2017年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
タンクアビス アギシェ タイム&デイト W1534451 |
中古 | 4年 9ヶ月 |
¥750,000 | ¥894,240 | 144,240 | 119.23% |
通常、YGよりWGのほうが高く評価される傾向がありますが、アギシェのWGモデルは現在110万円以上という水準です。つまりWGのほうが1.2倍高い計算となるわけですが、この計算が2012年にも当てはまるとするならば、YGの過去相場は75万円より安いと予測できます。そのため、値上がり額は14万円以上の可能性があります。
いずれにしても、2012年から14万円程度高くなったのは間違いないと判断することができます。
なお、このムーブメント9902MCは、他のCPCPにも搭載されているため、アギシェだけに存在するものではありません。