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現在相場考察

少し高くなったブロードアローの黒文字盤、オメガスピードマスター3551.50

2017年9月12日更新
オメガのスピードマスター3551.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年12月の安値(楽天)と2017年9月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年9ヶ月での変動は¥55,000だった。

スピードマスター ブロードアロー 3551.50についての考察(2017年9月)

スピードマスター高級なモデルとして2001年頃にデビューしたブロードアロー

当時の定価は58万円(税別)で、白文字盤と黒文字盤が同時にデビューしました。

雑誌の新製品紹介コーナーにおいて白と黒が並んで写真に写っていたのに対し、店頭において黒文字盤はあまり見かけなかった印象です。時計店で見かけるのは白文字盤が主であり、同じ時期にデビューしたムーンフェイズと並べて置かれていた様子はよく目にした光景でした。

ムーンフェイズブロードアローは見た目が似ているため、いまでも区別が付きづらい存在。さらに当時の新品実勢価格はほぼ同一だったため、似たような印象をより際立たせています。

けれども、実はムーンフェイズの定価は49万円(税別)だったためブロードアローよりも安く、本来ブロードアローのほうが高級です。

ブロードアローの白文字盤とムーンフェイズにはブルースチールの『ブロードアロー針』が備わっているのに対し、黒文字盤のブロードアローだとロジウムメッキの銀針となります。

そのためか、黒文字盤は、2000年頃復刻モデルとして流通していた1stレプリカ(3594.50)」と似ている印象であり、最近両者は同じ中古相場となることが多い傾向です。

デイトナ116500LNがデビューした2016年以降は白文字盤が人気ですが、それ以前は黒文字盤のほうが人気という状況。

特にこのブロードアローがデビューした2001年頃はその傾向が激しく、116520デイトナの場合黒文字盤のほうが20万円ぐらい高くても不思議ではありませんでした。

そのような前提があるにもかかわらず、ブロードアローの黒文字盤は、長らく白文字盤より安い相場に位置しているのです。

まして、白文字盤より店頭で見ることが圧倒的に少なかったため、数が少ないというレア要素も含む存在。

2016年12月頃においてブロードアローの白文字盤は30万円程度という水準でしたが、黒文字盤は20万円台前半という相場だったのです。

しかし、それが2017年に入り上昇傾向の模様です。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年12月
の安値(楽天)
2017年9月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オメガ
スピードマスター
ブロードアロー
3551.50
中古 0年
9ヶ月
¥243,000 ¥298,000 55,000 122.63%

この3551.50

  • フレデリックピゲ搭載モデル
  • 黒文字盤
  • 数が少ない可能性
  • というように良い要素がある時計としてはかなり安い状況だったのです。

    そのため、今回の値上がりはかなり自然だと判断できます。

    ただし、白文字盤のブロードアローは現状もっと高い状況であり、以前このモデルと同価格だった1stレプリカも最近相場が上昇中。

    よって、今回の値上がりはこの黒文字盤に限ったことではなく、2000年代前半に製造されたスピードマスタープロフェッショナルが全体的に値上がりしているということになります。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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